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内野 聖陽 さん

内野 聖陽さん
うちの・せいよう 1968年生まれ、神奈川県出身。93年に『女たちの十二夜』で初舞台を踏み、同年『街角』(NHK)でドラマデビュー。96年に連続テレビ小説『ふたりっ子』で一躍名を広め、以降大河ドラマ『風林火山』で主人公・山本勘助、『真田丸』では徳川家康を演じるなど、映像、舞台に多く出演し幅広い活躍を見せる。日本アカデミー賞優秀主演男優賞、読売演劇大賞最優秀男優賞など受賞も多数。

刀も芝居も、切れ味スパッと。セリフの奥底に流れる情熱をさがして。

熱くスケールの大きい演技力で、舞台やドラマで活躍中の内野さん。
この春、古今東西の名優が演じてきたハムレット役に挑戦。
念願の大役を前に、胸に期すものは。
そして内野流・絶対ゆずれない"こだわり"とは?

 そのラストシーンを見て、滂沱(ぼうだ)の涙を流したこともある。「いつか自分も演じたい」と心に決めていた作品。名演出家に「いまこそ君が挑戦すべき」と背中を押され、念願の名悲劇の主役を演じる。
「ハムレットって"悩める文学青年"のイメージですよね。だけど僕のハムレットは、明るく乾いている感じがでるといいな」

 人物を掘り下げ、膨大なセリフひとつひとつも徹底的に極めるつもりだ。
「たとえば有名な"to be,or not to be"、『生きるべきか死ぬべきか』をどう語るか。セリフの裏にこめられた熱量や激しさ、鉱脈をどれだけ掘り当てられるかが勝負。それが僕らの仕事だと思うんですよね」

 一方で堅苦しくなく観てほしいとも。
「シェイクスピア劇は、庶民のエンタテイメントだった。気軽に楽しんでほしい」

 役者は"集中力"をとても使う仕事、と語る。ふだんからエクササイズや武道で鍛え、食と睡眠を万全にとり心身を整える。集中力維持のため仕事の合い間5分でも眠り、ブドウ糖タブレットの携行も忘れない。

 毎年お正月にはお雑煮づくりに精を出し、娘にも好評だという。「鶏ガラから作るのが自分流」と、"こだわり"を語り出すと止まらない。「僕は特に包丁の切れ味にはうるさくてね。刀匠に研いでもらっているんですよ。刺身の味が違うから! 草刈り鎌は自分で研ぐけれど(笑)。刀だって切れ味がいいと、力を入れなくても藁(わら)束がキレイに切れる。スパッ、とね。芝居もそう。力まず、鋭いお芝居でありたいですね」と、剣豪のように手で空を斬ってみせる。

 今年の抱負は、初日の出に誓った。内容を聞くと、「内緒。太陽の神様と僕だけのね」。
「いただく役ひとつひとつを、"まっとう"していきたいと思います」
 "to be,or not to be"。どんな熱さをこめて演じられるか、楽しみだ。

文:浜口恵美子 写真:吉川信之(機関誌「済生」2017年3月)
ヘアメイク:佐藤裕子(Studio AD)
スタイリスト:中川原寛

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『ハムレット』

『ハムレット』

シェイクスピア四大悲劇の中でも最も人気が高く、世界中で上演されている作品『ハムレット』。英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエート・ディレクターとして伝説を残してきたジョン・ケアード演出による、豪華精鋭、わずか14名のキャストとともに挑むシェイクスピア劇の最高峰。

●作:ウィリアム・シェイクスピア
●上演台本:ジョン・ケアード、今井麻緒子(松岡和子訳に基づく)
●演出:ジョン・ケアード
●音楽・演奏:藤原道山
●出演:内野聖陽、國村隼、貫地谷しほり、浅野ゆう子ほか

《東京芸術劇場 プレイハウス》
2017年4月9日(日)~28日(金)
[4月7日・8日はプレビュー公演]
《兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール》
5月3日(水)~7日(日)
《高知市文化プラザかるぽーと 大ホール》
5月10日(水)
《福岡・北九州芸術劇場 大ホール》
5月13日(土)・14日(日)
《長野・まつもと市民芸術館 主ホール》
5月17日(水)
《長野・上田市交流文化芸術センター 大ホール》
5月21日(日)
《愛知・穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール》
5月24日(水)~26日(金)


内野 聖陽 さん

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