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ユーイング肉腫

Ewing Sarcoma

解説:竹内 克仁 (済生会横浜市南部病院 整形外科部長)

ユーイング肉腫はこんな病気

小さく丸い細胞(小円形細胞)からなる悪性腫瘍です(肉腫とは、広い意味の「がん」ですが、骨や筋肉・脂肪・神経・血管などに発生した悪性腫瘍を「肉腫」と言います)。骨だけでなく、軟部組織にも発生します(骨外性ユーイング肉腫)。日本での年間発症数は約40例と非常にまれな疾患で、10代に多い傾向があり、大腿骨・脛骨・上腕骨・腓骨などの骨幹部や腸骨・肋骨など多くの部位に発症します(図1、2)。

※軟部組織: 筋肉、脂肪、線維組織、血管、その他の体の支持組織


診断はまず、レントゲン・CT・MRIなどの画像によって骨および骨外に病変があることを確認しますが、しばしば炎症を伴い、骨髄炎との鑑別が問題になります。その後、生検(患部の一部を取って調べる検査)を行い、病理組織診断および遺伝子検査(EWS-FLI-1融合遺伝子)にて確定診断とします。

治療は、化学療法(VDC/IE)、手術療法(広範切除)、放射線治療を組み合わせた集学的治療を行います。ユーイング肉腫は他の肉腫と違って、放射線治療がよく効きます。

遠隔転移がない限局性ユーイング肉腫の5年生存率は、60~70%です。
近年、がん治療の進歩により、がんサバイバーが増え、抗がん剤による治療後の二次発がんが問題になっています。

図1: ユーイング肉腫(脛骨)
ユーイング肉腫(脛骨)

図2: ユーイング肉腫(MRI画像)
ユーイング肉腫(MRI画像)

早期発見のポイント

ユーイング肉腫は骨のまわりに大きな骨外腫瘤を形成してくるのが特徴です。四肢・骨盤・肋骨部の痛みや腫れ、腫瘤が早期発見のポイントになります。また、病変部局所の熱感だけでなく、全身的な発熱を伴うこともあるので、このような症状を感じたら一度整形外科で診てもらってください。

予防の基礎知識

発症の原因は染色体の相互転座 t(11;22)(q24;q12)と判明していますが、それがなぜ起こるのかはわかっていません。予防することは困難ですが、早期に発見し、症状が進行する前に治療できるようにしましょう。

竹内 克仁

解説:竹内 克仁
済生会横浜市南部病院
整形外科部長

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