ホーム >  症状別病気解説 >  ファロー四徴症

ファロー四徴症

Tetralogy of Fallot

解説:坂本 知浩 (済生会熊本病院 心臓血管センター・循環器内科部長)

ファロー四徴症はこんな病気

四徴とは、①右心室から肺への血流が妨げられている(右室流出路狭窄)、②大動脈が左右の心室を隔てる壁に開いた穴の上に横たわっている(大動脈騎乗)、③右心室を作っている心筋の肥厚、④左右の心室を隔てる壁に穴が開いている(心室中隔欠損)、の4つの特徴をもった先天性心疾患のことです。

ファロー四徴症
ファロー四徴症

これら4つの特徴は、偶然に別々の先天性心疾患が合わさったのではなく、胎生期に心臓が形作られる過程で、心臓の出口部分の大動脈と肺動脈の間、それを支える右心室と左心室の間それぞれのしきりがねじれ、その間に心室中隔欠損を生じて派生してくると考えられています。酸素をあまり含んでいない血液が心室中隔欠損を介して全身に流れるため、チアノーゼ(酸欠が原因で爪や唇が紫色になること)が生じます。この疾患は、出生数1万人あたり2.8~4.1人の頻度でみつかり、チアノーゼが生じる先天性心疾患の中では最多の頻度です。男女比は1:1で、性差はありません。

早期発見のポイント

生後まもなくに心雑音で発見されることが多く、その後、生後1ヵ月以内にチアノーゼが現れます。生後2ヵ月以後には、この疾患に特有の「チアノーゼ発作(低酸素発作)」がみられることがあります。症状は急に不機嫌になって、チアノーゼと呼吸困難が強くなり、重症だと意識がなくなったり、全身のけいれんを起こしたりすることがあります。通常は10分程度で自然に改善します。チアノーゼが出現して6ヵ月以上経つと、手足の指先が円く変形して太鼓のばちのような形になるのが特徴です(太鼓ばち指と呼びます)。

予防の基礎知識

先天性の疾患であるため、予防は困難です。
治療の基本は心臓手術になります。ファロー四徴症の心内修復術は、通常生後6ヵ月から2歳の間に行われることが多く、狭い右室流出路(肺動脈)の手術として、自分の肺動脈弁を残す方法(自己弁温存法)、狭窄した右室流出路にパッチと呼ばれる膜を当てて拡大形成する方法(右室流出路パッチ拡大術)、人工血管などの導管を使って右心室から肺動脈へ通路を形成する方法(ラステリ手術)の3通りがあります。

坂本 知浩

解説:坂本 知浩
済生会熊本病院
心臓血管センター・循環器内科部長

※当欄に執筆した医師の所属・役職は、異動等により変わる場合もありますので、ご了承ください。

▲ページトップへ