1-全体編 法人活動編
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101ワークやシステムの停止、情報漏えい、データの損壊等、さまざまなリスクが懸念されることから、サイバーリスク保険に切り替えた。 サイバーリスク保険は、個人情報漏えいだけではなく、サイバーインシデントの発生原因の調査からシステムの復旧・修理費用、損害の拡大防止費用等、サイバーインシデントに起因するさまざまなリスクが補償の適用範囲となっている。第3節 会計制度の改変と財政規模の拡大社会福祉法人会計の改正 社会福祉法人の会計は、生活困窮者対策を前提とした措置費等公的資金の収支を明瞭にし、その受託責任を明らかにすることを目的に、昭和51年1月に「社会福祉施設を経営する社会福祉法人の経理規程準則の制定について」(以下、経理規程準則)が制定され運用が開始された。 平成12年4月の介護保険制度の導入に伴い、福祉サービスは一部の事業を除き措置制度から、個人が自ら選択し、それを提供者との契約により利用する制度へと移行することとなった。 この制度改革に伴い、「社会福祉法人会計基準の制定について」(以下、旧基準)と、介護保険事業の収支を把握する仕組みとなっている「指定介護老人福祉施設等会計処理等取扱指針」(以下、指導指針)が定められた。 本会は、日本最大の社会福祉法人であり実施事業も多岐にわたるため、旧基準・指導指針の適用範囲外の会計も多く、病院・診療所等は病院会計準則、介護老人保健施設は老健準則、重症心身障害児施設等は減価償却費を計上しない経理規程準則、収益事業は企業会計を採用するなど、さまざまな会計基準が存在していたため法人全体を一つにした決算書は作成できず、事業全体を合算した「総合決算書」を作成し、本会全体の財政規模を指標化していた。 他の法人においても事業別にさまざまな会計基準が存在し、法人全体の収支・資産・負債の状況把握が容易でなく、外部の第三者への情報開示等について正確性・透明性が担保されていないという問題点があった。

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