1-全体編 法人活動編
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131年度からは経営基盤強化資金へ19億円の貸付を始めたことに伴い、貸付事業は廃止して補助事業のみとなった。 平成27年度は6事業への補助に加え、東日本大震災の復興支援のため特例的に補助事業を実施。岩手県陸前高田市に新設した済生会診療所等の整備費として3億5000万円の助成を行ったのである。 同市は岩手県の市町村で最も多くの死者・行方不明者を出し、医療施設も壊滅的な被害を受けた。このため復興支援として診療所を開設して地域住民に医療・福祉を提供し、高齢者等の社会参画や雇用創出を促進して地域住民の生活を支えていくこととなった。これは本会の理念にふさわしく、復興支援の済生会全体のシンボル的事業と位置づけられるものだ。 本基金もこの事業を支援することとし、規程及び要綱の大幅な改正を行って助成事業の範囲を広げ、1事業100万円となっている限度額も引き上げた。つまり、助成要綱では運営費への補助のみとなっているが、例外的に施設・設備整備費及び運営費を対象とし、費用についても従来、基金運用益の一部を充てていたが、本件で初めて基金積立金本体を取り崩しての大型助成となった。新しい令和基金の募集  本会が実施する事業を、将来にわたり活発にかつ安定的に行っていくには、活動資金が必要である。戦前は、例えば三井報恩会のように多数の新病院開設資金を援助する団体や高額寄付の個人があったが、戦後は社会福祉が国の責任となったことから、そうした大規模な支援は期待できなくなった。このため活動資金を調達する方策として、税制上の優遇措置が認められた寄付金の獲得を強化していくことが必要となった。 令和3年度、新しい令和基金の募集を本格的に開始した。同年8月、本会ホームページに寄付コーナーを新設し、クレジットカードで簡単に寄付ができるシステムを導入。今後、関心が高まると予想される「遺贈」のコーナーも併設した。 寄付候補先としては富裕層に力を入れ、同年11月には永年、済生会を応援してきたという個人から高額の寄付をいただいた。本会が積極的に推進する「ソーシャルインクルージョン」や「SDGs」のパー

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