12総裁おことば 本日、「済生会創立110周年記念式典」が、全国の済生会支部および施設からの参加を得て開催されますことを誠に喜ばしく思います。そして、創立110周年特別表彰を受けられる方々にお慶よろこびを申し上げます。 済生会は、明治44年、明治天皇の済生勅語により、社会に増大した困窮者に医療を行い、それによって生いのちを救すくうことを目的として創立され、御下賜金と全国の官民から寄せられた寄付金によって同45年から本格的に活動を開始いたしました。爾来110年の長きに亘わたり、「施せ藥やく救きゅう療りょう」の創立の精神を引き継いで、医療と福祉の充実・発展のために多くの事業に取り組んでまいりました。ここに本会を支えてこられた先人、そして皆様方のたゆまぬ努力と英知に対し深く敬意を表します。 この10年を振り返りますと、大きな自然災害の連続であったと思われます。私も2016年4月におこった熊本地震と2018年7月の西日本豪雨の後に被災地を訪れました。熊本地震のおりには、熊本病院自らが被災しながらも近隣施設の患者を引き受けるとともに、医療スタッフを派遣するなど懸命な救援活動を行ったと聞き、強く心を打たれました。また、西日本豪雨後には広島病院と特別養護老人ホーム、そして本会が活動を行っていた避難所を訪れましたが、大勢の職員が、自分自身も被災し元の生活を取り戻せる見通しが立たない中で、被災
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