1-全体編 法人活動編
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19院は、私が総裁に就任して間もない時期に訪問した思い出深い施設ですが、そこで集団感染が発生しました。陽性となった乳幼児8人は中央病院に入院し、陰性の21人は施設に残りましたが、世話をする乳児院の職員は濃厚接触者にあたるため、全員が自宅待機になりました。このため中央病院は一般診療を縮小し、看護師を中心とした職員が特別ローテーションを組んで乳幼児の世話にあたるとともに、済生会の他施設やボランティアの方々の応援も得て、何とかしのぎきり、5月11日より通常の養育体制に戻ることができました。 COVID-19についての済生会の取り組みは、折にふれて炭谷茂理事長、松原了理事から報告を受けております。横浜港大黒埠ふ頭とうに接岸したダイヤモンド・プリンセス号への対応については、横浜市南部病院の竹林茂生院長と同市東部病院の渡邊輝子看護部長から詳細な報告書をいただき、船内の様子やDMAT、病院への受け入れの状況を理解することができました。5月に入ってからは、現場で医療に携わっている三つの病院長、すなわち東京・中央病院の海老原全院長、東京・向島病院の塚田信廣院長、横浜市東部病院の三角隆彦院長、そして樋口幸子済生会看護部長会長とWeb上ではありましたが面談し、各おの々おのの立場から現状について伺う機会をもつことができました。救急を休止して2病棟を専用収容病棟に転換して感染者を受け入れた中央病院、地域の基幹病院が集団院内感染したため患者を引き受けるようになった向島病院、クルーズ船の重症の感染者の治療に当たった横浜市東部病院。いずれのお話からも、感染の危険性を強く感じながらも日々最前線で活動を続ける病院職員の方々の姿勢と奮闘ぶりに大きな感銘をうけました。また、済生会の高齢者や障害者福祉施設における感染の危険性は高く、やむなく入居者とご家族との面会を控えていただき、コミュニケーションはテレビ電話を通じて行うなど、施設内にウイルスを入れないよう厳戒体制を取っていることも伺いました。このメッセージを書いている5月15日現在、済生会の26病院でCOVID-19の患者を受け入れております。 このように、済生会の各施設が、常に感染の危険性に対たい峙じしながらも一丸となって高い使命感を持ち、献身的に医療を行っている姿に深く敬意を表します。そのいっぽう、感染防止のための防護服やゴー

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