1-全体編 法人活動編
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31 相対的貧困率については、近年緩やかに上昇していたものの、国民生活基礎調査では15.6%(平成27年)、全国消費実態調査では9.9%(平成26年)と低下した。 また、子どもの貧困率についても、近年緩やかに上昇していたものの、国民生活基礎調査では13.9%(平成27年)、全国消費実態調査では7.9%(平成26年)と低下した。 高齢者の問題だけでなく、単身親世帯、障害者、刑余者等の貧困問題も増えており、新型コロナウイルス感染症のまん延によって就労機会が減少し、さらに生活が困窮した家庭が増加している。 政府も年々予算を増額し、対策に取り組んでいるが、継続した支援ができないケースが多く、問題の解決には至っていない。第2節 施設・事業の拡充第四次基本問題委員会報告に基づく事業展開 創立100周年を機に設置された第四次基本問題委員会は、本会が創立101年から110年の間に進むべき方向を示す「報告」をまとめた。いわば10年間のマスタープランで、①済生会ブランドの構築のために②我が国最大の医療・福祉団体としての活動③行政・関係団体・地域住民等外部との連携・協力――の3点を総論としてうたい、以下の各論を提言した。本会はそれに基づいて諸事業を展開し、その多くはさらに続いている。1.済生会の今後推進すべき事業⑴無料低額診療事業の一層の推進 平成25年度に無料低額診療ガイドラインを作成し、各施設への無低の監査も実施した。その結果、無低実施率は平成22年度9.97%から令和2年度12.60%と大幅な改善を見せた。⑵生活困窮者への支援事業 無低対象者から、より範囲を広げて支援する「なでしこプラン」は順調に対象者を増やし、平成22年度9万人から令和2年度は14万人と大幅に増加した。また、刑余者に代表される従来の福祉制度では支援が難しい生活困窮者に対しても協議会を設置し、効果的な支援を実施した。

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