1-全体編 法人活動編
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36包括ケアシステムの構築をビジョンに掲げた。 病院を中心とした医療から、多種多様なサービスが拡充された介護へのシフトが続き、日本の病院数は平成23年3月末の8,650から令和3年3月末の8,227へと、この10年間で4.9%減少し、同時に病床数も5.3%減少した(厚生労働省医療施設動態調査)。 対して済生会の病院数は80病院前後で推移し、令和2年度末で81病院となっている。この10年間で新設されたのは神奈川県の東神奈川リハビリテーション病院(平成30年2月に横浜逓信病院を譲受)、滋賀県・守山市民病院(平成30年4月に指定管理受託)、岡山外来センター病院(平成30年9月)の3病院。廃止となったのは2病院で、島根県・高砂病院(平成24年廃止)は高砂ケアセンター(老人保健施設)に衣替えし、北海道・西小樽病院(令和2年廃止)については、病院は廃止されたものの、併設されていた重度心身障害児(者)施設みどりの里が小樽病院の同一敷地に新築移転し、ともに地域の医療福祉ゾーンの一角を担っている。 医療資源の集約を目指す地域医療構想の流れや、厳しい経営環境による財政悪化等を受けて、本会が指定管理や経営譲渡を受けるケースが今後も想定される。 一方で本会病院の病床数は、この10年で22,689床から22,244床へと減少しており、その役割も変化してきた。高齢化や地域ニーズの変化に対応し、急性期病床から回復期リハビリテーション病床、地域包括ケア病床への機能転換が進んだ。 本会は都市部から過疎地までさまざまな地域に病院を展開しており、公的医療機関として変化する地域ニーズに対応するだけでなく、済生会でなければできない生活困窮者支援を積極的に行いながら、地域医療を支えている。 病院以外の介護・福祉施設についてはさまざまな社会的ニーズの高まりから、障害者総合支援法や児童福祉法改正(平成24年)、子ども・子育て支援法施行(平成27年)、介護保険法改正(平成30年)等が行われ、新たな枠組みや事業が誕生してきた。 本会もそれらの環境変化に対応し、各地域のニーズに合った事業展開を図り、平成23年度から令和2年度までの10年間の本会の施設・事業数は、643から841へと大幅に増えた。近年では特別養護老人

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