1-全体編 法人活動編
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55ン(社会的包摂)という考え方を新たに導入した。 第2期中期事業計画(平成30~令和4年度)では重点項目として「新たな分野への挑戦」をうたい、「医療・福祉の周辺分野への取り組み」「まちづくりへの寄与」を掲げた。そのため済事発第338号(平成30年11月19日付)で「『新たな分野への挑戦』に関する基礎調査」を実施。その結果に基づき、すでに各拠点が実践している「なでしこプラン」をはじめとする多様な取り組みを、法人のまとまった概念として整理し直した。その概念がソーシャルインクルージョンであり、それに関わる諸事業を「済生会ソーシャルインクルージョン計画」と名付けて法人全体の行動計画としたのである。本計画は、国連のSDGsへの貢献の視点も踏まえ、地域住民のつながりを再構築し、誰もが排除されずに地域住民の一員として暮らせるようなまちづくりに寄与していくものだ。 医療・福祉の周辺分野にある「住まい」、「暮らしの支援」、「就労・教育」、「住民の交流」、「社会参画・ボランティア」、「アクティビティー」等の各地域での実践は、個別に見れば小規模なものも含まれるが、中期事業計画の3本柱と総合的に組み合わせていくことで、地域住民のつながりを強固にし、安心感、安定感をもたらすことができる。こうした方針を盛り込んだのが「済生会ソーシャルインクルージョン計画」だ。保健・医療・福祉サービスにアクセスできず社会的に排除され、もしくは排除される可能性のある人々(例えば独居高齢者や障害者、通院・外出困難者、認知症の人、介護者、ひきこもり、子育て世帯、難病患者、外国人、ニート、健康無関心層など)を広く対象としており、「なでしこプラン」に掲げられた事業も含んでいる。 つまり、中期事業計画の3本柱の事業と医療・福祉の周辺分野のサービスを総合的に組み合わせて、地域のニーズ等に合致した多様な内容や方法によって、地域住民のつながりを再構築し、誰もが排除されずに、地域の一員として暮らせるようなまちづくりに寄与していく活動が「済生会ソーシャルインクルージョン計画」である。まちづくりへの寄与 本会が進めてきた「なでしこプラン」は本会の歴史に特記されるべき事業だが、「点の活動」という側面があった。社会課題をより根本

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