1-全体編 法人活動編
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604県支部共同事業 済生丸の運航に当たっては、岡山県済生会支部長(岩本一壽支部長)が4県支部の代表を務め、4県の支部長、診療を行う済生会病院院長等で構成する瀬戸内海巡回診療運営委員会(委員長:塩出純二岡山済生会総合病院院長)を定期的に開催し、事業運営に係る事項を審議・決定している。この事業実施のため、岡山県済生会に瀬戸内海巡回診療事業推進事務所、香川県済生会に同船舶管理事務所を設置している。 また、済生丸は、厚生労働省及び地元4県の支援を受けて運航しており、毎年6月に厚生労働省、4県及び4県支部の合同会議を開催するとともに、厚生労働省と4県から設備補助金や運営費補助金の交第6節 済生丸の航跡新船建造の経緯 三世号は平成2(1990)年2月に就航以来、二十数年が経過し、船体及び主機関の老朽化で巡回診療に支障をきたす恐れが出ていた。また、島への架橋等の交通アクセス、医療事情や経済的な面など社会情勢が変化したことなどから法人として事業の見直しが検討された。 平成22年の「済生丸のあり方に関する検討会」で済生丸の意義について議論した結果を受け、第四次基本問題委員会報告は済生丸事業の意義は相対的に低下しており、今後、事業を継続するとしても地元の4県支部(岡山県、広島県、香川県、愛媛県)で判断すべきとの結論を出した。このため進めていた新船建造の検討をいったん中断した。 4県支部は、その前年の平成21年に実施した島民意識調査などにより島民や地元自治体から存続を望む声は大きく、事業を継続することとした。平成23(2011)年度から済生丸の運営は本部事業から4県支部の共同事業へと移行した。 一方、関係4県の地域医療再生計画で、済生丸の建造及び搭載する医療機器の整備に対し支援が受けられることとなったことから、平成23年8月の瀬戸内海巡回診療運営委員会で新造船を決議した。24年度には、4県からの補助金2億7000万円と事業積立金3億9000万円を財源に船舶、医療機器等6億6000万円を予算計上し、建造に着手した。

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