1-全体編 法人活動編
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68新型コロナウイルス感染症 令和元(2019)年年末、中国・武漢で初めて報告された新型コロナウイルスによる感染症は、翌2年、瞬く間に地球規模に広がり、WHO(世界保健機関)はパンデミックに認定、人類とウイルスとの闘いであると全世界に呼びかけた。 日本では、1月16日、厚生労働省が国内で初めて1人の感染を発表した。2月に入り、クルーズ中の客船ダイヤモンド・プリンセス号で陽性者が確認され、横浜港に寄港。乗員乗客3713人のうち712人の感染が分かり、14人が死亡した。検疫官、医師ら対策のため船内に入った9人も感染した。済生会からは新潟病院などからDMATが出動し、〈神奈川〉横浜市東部病院や〈埼玉〉栗橋病院で重症、中等症、軽症患者を受け入れ、治療に当たった。 2月13日、〈和歌山〉有田病院で国内初の院内感染とみられる医師の陽性が確認された。県と協力し入院患者以外の診療停止など外部との接触を断って克服、3月4日には「安全宣言」を発出した。この厳しい対策は「有田方式」として海外からも高い評価を受けた。しかし、新型コロナは日本中を席巻。6月には、令和3年2月の熊本市で開催予定だった第73回済生会学会・令和2年度済生会総会が戦後初めて中止となった。 感染の波は令和2年秋の第5波まで続き、この間、全国各地に緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が断続的に発令され、患者数も増減を繰り返し、本会では、第5波の8月31日、全病院の入院患者は683人と最多を記録した。病院・福祉施設でクラスターも発生したが、病院職員は偏見やいわれない差別にさらされながら使命を全うし、福祉施設では不満を言われながらも入居者と家族の面会を遮断するなど全力で対策を続けた。 感染者の数は同年末、いったん小康状態となったものの、令和4年の年明けから急増、第6波に見舞われることとなった。対策本部設置 有田病院の医師が感染したことを受け、令和2年2月14日、済生会本部事務局に「新型コロナウイルス対策室」を設置した。16日には、国が新型コロナウイルス感染症対策本部を設置したこと等から、本会

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