2-支部-施設編
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福井県187により、改善活動を続けている。 平成24(2012)年、それらの取り組みが評価され、大規模部門では医療機関として初めて、日本経営品質賞を受賞した。日本経営品質賞アセスメント基準に基づく審査において、経営革新を進めるモデルとして卓越したレベルに達していると認められたことになる。 またこの10年は、高齢化により急性期医療システムの転換が求められる時期でもあった。急性期病院である当院から回復期病院や施設、あるいは在宅へスムーズにつなげるため、入院前から退院後の動きについて話し合いをはじめ、患者さんやご家族の不安を早い段階から取り除けるよう取り組んでいる。平成25(2013)年には南館を建設し、1階に患者対応機能を集約した。入退院・検査説明センターや退院支援室などを設け、1カ所で患者さん・ご家族の悩みや不安が解決できるようになり、患者サービスの強化につながった。平成28(2016)年には福井市の委託を受け地域包括支援センターを開設、翌年には、地域包括ケア病棟(39床)を開設した。高齢者に優しい病棟改修計画も進めていたが、コロナ禍により延期となっており、今後の課題となっている。 当院では「病院の差は中で働く職員の差」と考えている。現場の第一線で患者さんと接する職員が満足し、やりがいをもって働いていなければ、患者さんに満足していただけるサービスを提供することはできない。やりがいを持った優秀な職員こそ、患者さんへの価値を提供する最も重要な資産であると考え、ワークライフバランスの充実や働きがいのある職場づくりを進めている。平成27(2015)年より開始したのが、バースデーラウンドである。バースデーラウンドでは毎週、幹部が各部署を回り、その週に誕生日を迎える職員を祝って直接バースデーカードを手渡す。職員はもちろん、パート職員や委託派遣職員まで分け隔てなく配られる。さらに患者さんから感謝の言葉が届いた職員に対しては、ラウンドの時間を利用して直接感謝の声をお伝えしている。患者さんからの感謝の言葉とクレーム数の割合が以前は半々だったが、バースデーラウンド開始後は感謝の言葉が増え、60~70%を占めるようになってきた。内発的動機付けの取り組みにより、職員が患者さんに提供するサービスに良い影響を与えている結果だと考えている。しかし令和2(2020)年からのコロナ禍以降は、感染

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