2-支部-施設編
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大阪府233 直近の10年間においても各事業でいくつかの変化の下に運営をしてきた。まず新泉南病院については、26床だけの済生会内で最も小規模な病院である。そのような条件の下で、地域の特性も鑑みて在宅復帰困難者が増加してきたことなど地域のニーズを踏まえて、平成 29(2017)年1 月 1 日に一般病棟(10対 1)から全病床を地域包括ケア病棟(回復期病棟)に特化した病院として再編した。 “在宅で過ごせる限界点を引き上げる”ということを最大の目的として、在宅や施設で過ごされている方が病気になり、大型総合病院での密度の高い入院治療までは必要ではない症状の方も積極的に受け入れ、必要な機能を提供するサブアキュート機能を充実させた病院運営に当たっている。 一方、退院後の在宅での診療も視野に入れ、患者様が安心して在宅で治療を受けることができるよう、訪問看護ステーション、定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業などとも連携し、平成29(2017)年より医師による訪問診療も積極的に取り組んでおり、利用者様にもまたそのご家族からも厚い信頼を得ている。 予防にも注力しており、人間ドックを受ける泉南市民の 9割の方に当院の健診センターが選ばれ、地域住民の健康管理にその役割を果たしている。隣接するイオンモールりんくう泉南の協力も得て、市民公開健康講座を毎年実施し、地域の健康増進に努めている。 新型コロナについても、関西国際空港からほど近いという立地条件も踏まえ、帰国者・接触者外来を令和 2 (2020)年1 月から実施し、12月からは中等症の入院(2床)も引き受けている。このような活動を通じて、地域で唯一の公的病院としての責務を果たしている。  また、看護部門においては平成 31 (2019)年2 月に看護師特定行為研修機関として厚労省の指定を受け、「栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連」「感染に係る薬剤投与関連」の 2行為の受講を可能とした。充実した教育体制化、自身が目指す看護師へとキャリアアップしながら、共に成長し地域の医療ニーズに対応できる看護師の育成を目指して、今後も進んでいく。  訪問看護ステーションと訪問看護師の質の向上にも積極的に取り組み、医師からの包括的指示に基づいて看護師が自ら病状を判断して一定範囲の医療処置ができるように、上述した「特定看護師」を育成す

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