2-支部-施設編
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広島県329 高齢化社会を迎え、入院患者も高齢者の占める割合が非常に多くなり、急性期の治療を終えても在宅復帰できる患者が少ない状況となり、平成28(2016)年4月地域包括病棟50床を開設し、急性期病棟を1病棟縮小した。 平成31(2019)年3月、地域包括病棟を1病棟増やして、計92床とした。これにより入院患者数を比較的安定して維持することができるようになった。しかしながら、診療報酬の改定などの影響もあって経営状況は苦しい状態が続いた。この地域のニーズを検討し急性期病棟を1棟縮小し、令和元(2019)年10月回復期リハビリテーション病棟42床をオープンした。安芸地区には回復期リハビリテーション病棟がなく、脳卒中や大だい腿たい骨こつ頸けい部ぶ骨折の急性期治療を終えた患者が、広島市西部のリハビリテーション病院に入院することが多く、この地域に必要な病棟であるとの判断からだった。入院料6から開始し、スタッフの増員、施設整備の充実を行い、入院料1を比較的短期間に達成することができた。職員の並々ならぬ努力のおかげだった。 その間に、平成18(2006)年より院長を務めていた隅井浩治院長の決断により、令和元(2019)年から医師の定年制を導入した。医師65歳、院長70歳の定年制とした。それに伴い、隅井院長から現在の松本院長に交代した。併せて各診療科に部長制度を導入し、各診療科の責任体制を明確にした。 小児科は、開設当初は常勤体制だったが、この数年は非常勤医師による診療体制になり、少子化の影響もあり患者数は減少の一途をたどり、不採算部門となった。増患の可能性は極めて低いと判断し、地域からは残してほしいとの希望もあったが、令和2(2020)年4月小児科廃止というつらい決断をした。 令和3(2021)年1月、電子カルテの更新を行った。 令和2(2020)年1月、中国の武漢に端を発した新型コロナ感染症は、済生会広島病院にも大きな影響を及ぼした。感染症科や呼吸器内科のない状況下、職員一丸となって対応した。広島県からの入院患者受け入れ要請に応え、社会福祉法人としての済生会の役割を果たすべく、努力した。 引き続き、地域に根ざした病院として、病院理念である「優しく、温かく、確かな医療」の実現のため努力していく決意である。

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