2-支部-施設編
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香川県355開発の進む市内南部に位置している。 開設時より、地元の方々との交流が少なく、地域に根差した施設運営が行われていなかったことが、大きな課題であった。済生会ブランドが武器ではなく、足かせとなっていたため、地域の方々にご利用いただくことが少なかったのである。そこで直近の5年間において、地域に溶け込めるよう、地道な働きかけを行ってきた。地元のカラオケ大会を地域交流スペースで開催し、その準備や片づけを手伝うことから始め、地域の方々が集まるネットワーク会議に参加させてもらったり、敷地内を通る水路の清掃活動に参加させてもらったりと、少しずつではあるが、地域の方々との距離を縮められていると実感できるようになった。 そのさなか、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るうようになり、地元の祭りや行事が中止になっていった。しかし、地元の民生委員の方々や敬老会の方々と手を組むことで、地元で本当に支援を必要としている高齢者の方々に対し、手を差し伸べることができた。「認知症カフェ」の取り組みを進め、地元の引きこもりの高齢者や通いのサービスを苦手としている方たちに、気軽にお越しいただいて会話を楽しんでいただいた。「あんしん見守り活動」にも取り組み、配食と安否確認を行いながら、日常会話を交わす時間も設けることで、少しずつ安心感を持っていただけるようになり、今では配食日を楽しみにしていただいている。 今後はソーシャルインクルージョン活動として、災害に対して共同して取り組み、多くの方々に安心感を与えられるように計画を実践に変えていきたいと考えている。そして、地域に根差した活動は今後も継続し、施設の礎を築いていきたいと思う。

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