2-支部-施設編
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34画期間の中間年で東北の山間過疎地の当町の高齢者の実態は、老々世帯や独居世帯が増え家庭の介護力が一層乏しい実情で、2025年問題が到来したといえる時だった。 それにより、入所待機者が当時の定員80人(長期+短期)の倍以上の200人強と待機者の解消が喫緊の課題となった。 これらを踏まえ、平成22(2010)年度から岩手県の介護職員の育成・確保を目的とした「介護雇用プログラム」を導入して他職からの転職者、未経験の職員を雇用した人材確保、増員を行うと共に、申請家庭の実情を分析、住民や自治体の意向調査のうえ、岩泉町と協働で40床増床構想を立案して、平成23(2011)年7月の増床工事及び既存改修工事に着手、翌年度施工継続事業として、平成25(2013)年4月には、長期入所110床、短期入所10床、合計120床の現施設体制が整った。 平成27(2015)年度から制度の見直しにより、利用できる介護度が要介護3以上となることに備え、機能訓練指導員の任用、医療的ケア研修・認知症専門研修の受講、その他苑内専門研修を強化した。現在の平均介護度は4.2と最重度者が多くなっている。併せて、重度者にきめ細かな支援のために職員一同が関わって更なる安心安全で楽しい生活環境の提供とご家族も安心して託していただける施設を目指してきた。制度上の新たな処遇改善加算も積極的に算定して、職員の資質の向上、事業の効率化にも取り組んでいる。 自然災害や感染症対策にも総力を結集した期間であった。平成23(2011)年3月の東日本大震災復興の明るい兆しが見え始めた平成28(2016)年8月の台風第10号豪雨災害では、施設長会DCATの初活動を受ける等済生会の組織力や率先して救援・支援していただいた組織の皆々様には感謝の念に堪えない。いまだに世界中を脅かしている新型コロナウイルス感染症への対応も職員一同英知を結集して乗り越えていこうと思う。

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