2-支部-施設編
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病院経営(経営状況の悪化)第70回済生会学会・平成29年度済生会総会の開催経営再建に向けて~第6代壁村院長就任福岡県391 平成27(2015)年度末に、当院の主要科目である消化器内科医が、派遣大学の引き揚げ等により4人退職し、続く平成28(2016)年度末にも残る他大学が3人を引き揚げるなど、人材流出が相次いだことから、医業収益が大きく減少し、平成27(2015)年度より赤字決算に転じた。これ以後、赤字決算を脱却することがなかなかできず、平成29(2017)年度においても赤字決算が続いたことから、平成30(2018)年8月、本部委員会より「経営指導施設」の指定を受けるに至った。 平成30(2018)年2月、第70回済生会学会・平成29年度済生会総会を秋篠宮皇嗣殿下のご台臨を仰ぎ、福岡国際会議場および福岡マリンメッセにて開催した。これは本来、済生会熊本病院により平成29(2017)年2月に熊本市で開催される予定であったが、平成28(2016)年4月の熊本地震で、予定されていた開催会場などが甚大な被害を受けたため、急きょ当院が代役を引き受け、福岡市にて開催することになったためである。 当院においては、これまで経験したことのない最大級の催事であり、開催まで時間もないという重圧の中であったが、職員が一丸となって、周到に事前準備を行い無事に催行することができた。この日は、二日市医療福祉センター職員一同が結集して大事を遂げた、歴史に刻む忘れられない日となった。参加登録者は2,636人を数える大盛況であった。 平成30(2018)年4月、壁村哲平が院長代行として着任、不足していた消化器内科医も九州大学より3人入職した。改革元年として、急性期病院の基本となる5大プロジェクトを立ち上げ、改めて当院の位置づけとして地域の中核をなす急性期病院であることを院内外に明示し、急性期医療、入院医療、手術の重視、初診患者(救急・紹介)重視のほか、病診連携による機能分化の推進による外来再診の縮小などの改善に着手した。 令和2(2020)年4月、間野院長の後を継ぎ、壁村院長代行が第6代院長に就任した。6期連続の赤字決算という厳しい経営状況が続く中、新たに新型コロナウイルスのパンデミック下という更なる条件も加わった中での厳しい経営再建を課せられたが、新たな病院理念と基本方針を掲げ、5大プロジェクトも深化させた。具体的改善計画を

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