2-支部-施設編
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熊本県411上し、救急車搬入数も年間1,000台を超え、手術も400を数えるまでになった。平成23(2011)年には救急と不採算で特別交付税の交付を受けられるようになり、初めて黒字決算となった。とはいえ、人口減少で入院収益が天井(上限)を迎えることは容易に推測できた。そこで、平成23(2011)年からは短期間での変革を繰り返す方針を固め、更衣室を移設し、空いたスペースに健診センターを開設した。平成25(2013)年には居宅介護支援センターみすみを創設。平成26(2014)年には外来化学療法室を稼働した。課題の入院は、地域包括ケア病床の誕生に基づき、平成26(2014)年に一般70床、回復期40床、地域包括30床に機能変更、平成28(2016)年には総病床数を140床から128床へとダウンサイジングし、空いたスペースで通所リハビリテーションを開設した。 同年4月熊本地震が発生、津波警報も発令され、高台の当院には多くの住民が避難に押し寄せた。元国立病院のため、新耐震基準前の竣工であったが、幸い、1カ月前に耐震改修を完了していたため、被害は少なく、職員も自宅の被害はあったものの身体に関する被害報告はなく、職員一同安あん堵どした。数日は、職員の手作業、手探りによる医療活動が続き、職員それぞれが家庭の事情もかえりみず、病院の医療継続に注力いただいたことに改めて感謝するとともに、この病院の将来への期待も芽生えた。平成30(2018)年、在宅医療への関心は高まり、訪問診療を開始。平成31(2019)年には、電子カルテも2回目の全面更新を行った。15年前には予算計上されていなかったシステム費用が、年々増加しており、現代の医療はシステムなしには機能しないと改めて感じる。令和2(2020)年頃になると開業医も高齢化、後継ぎがなく、有床診療所を閉鎖し外来のみにする診療所も増えてきた。近隣診療所の医師が退職したため、オンライン診療も開始。令和3(2021)年、新型コロナウイルス感染患者の重点機関として入院を受け入れた。また住民のワクチン接種を行っている。さらにオンラインでの面談、カンファレンス、会議はもはや常識となった。労働法改正による、働き方改革も今後加速が予測される。一方、建物も40年を過ぎ、人口減少も加速することから、今後を見据えた将来構想も本格的に議論する時期が来ている。変革の10年間であったが、今後はさらに予測の難しい10年になると推測する。職員一丸となって今

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