女優としてだけでなく、バラエティや情報番組でも活躍中の岡田結実さん。まったく違うジャンルを行き来するなかで得た経験の活(い)かし方について聞きました。今秋公開のサスペンスホラー映画では母性愛あふれるヒロイン役に。演じた感想や作品の見どころについてもお話しいただきました。

　女優業とバラエティは一見かけ離れているようで、活かしあえる点があると岡田さん。「お芝居では『俯瞰の目』を教わりました。たとえば自分の役に集中しすぎると演技が暴走し、人のお芝居を壊すことがあります。でも、自分以外に意識を持てるとほかの役者さんと面白い化学反応を起こせる。バラエティでも自分がガンガン前に出て行くだけでなく、押し引きができるようになったと思います」

　一方のバラエティで学んだのは “瞬発力”。「バラエティは筋書きがあってもほぼアドリブ合戦。そこを鍛えてもらったおかげで、お芝居で急にアドリブを要求されてもサッと返せるようになりました（笑）」。それが映画『他人は地獄だ』にも活かされているという。見どころは？

　「得体のしれない恐怖に引き込まれ、終盤までゾクゾクが止まりませんが、最後に衝撃的な展開が待っています。物語の細部がわかることで、怖いけどもう一度最初から観てみたくなる映画です」

　描かれているのは、他人のせいで負のループに陥り、判断能力を失っていく人間の弱さと怖さ。「そうかといって他人と関わらずに生きていくことはできません。だからこそ、そばにいて最終的に助けてくれる人が必要。みなさんも“自分だったら”と考えながら観ていただけたらと思います」

文:みやじまなおみ　写真:吉川信之(機関誌「済生」2024年11月)
ヘアメイク:やすす スタイリスト:武久真理江 衣装クレジット:BORDERS at BALCONY/SHUN OKUBO