社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)

2021.12.01

天海 祐希 さん

天海 祐希 さん

『私は白鳥』で映画ナレーションに初挑戦した天海祐希さん。映画に登場する一人の男性の純粋な想いに心を打たれオファーを受けたといいます。天海さんにもまた、どんなときも貫き通しているものがありました。

『私は白鳥』で映画ナレーションに初挑戦した天海祐希さん。美しい富山の自然を背景に、気高くも傷ついた野生の白鳥を見守り、ひたすら世話を続ける一人の男性。何があっても変わらない、純粋なおもいに心を打たれオファーを受けたといいます。天海さんにもまた、どんなときも貫き通しているものがありました。

 世の中がどう変わっても、自分が生きるために大切なこと。天海さんにとってそれは「良心」だ。それこそ小さな飴の包み紙一つ、ここに捨てて後悔はないか? 良心に問いかけるという。「お仕事なら、集中して台詞せりふを覚えたあと、明日も朝が早いし寝なければと思っても、“もう一回、おさらいしなくていいの?”と言う自分がいるんです。ややもすれば人間は簡単なほう、楽なほうに流されてしまうから。それを食い止めるのは自分しかいないと思っています」

 コロナ禍のステイホーム期間中も良心に従い、家でじっとしていた。買い物は週に一度。買い物リストをつくり、どのルートで回れば最短の時間で帰ってこられるかシミュレーションしてから出かけたとか。「家では普段なかなかゆっくり話せなかった母に毎日電話して、“今日、何してた?”なんてたわいもない話をしていました。でも、こういうことが本当は幸せでありがたいことなんですよね」

 今回ナレーションを務めた映画『私は白鳥』でも、コロナで社会が大きく変わり、これまで当たり前だったことも、実は奇跡みたいなことだったと気づかされたそう。

「混乱がほんの少し落ち着いた今、今度は私たちがみなさんの疲れた心を癒やし、笑顔になってもらう番。映画館に足を運んでいただき、やさしく、あったかい気持ちで帰っていただけたら幸せです」

文:みやじまなおみ 写真:吉川信之(機関誌「済生」2021年12月)
ヘアメイク:林智子 スタイリスト:東知代子
衣装クレジット:
シャツ、ニット/ともにラプロー ヨシエ イナバ(03-6861-7678)
パンツ/モガ(03-6861-7668)

『私は白鳥』

映画『私は白鳥』©︎2021映画『私は白鳥』製作委員会©︎2021映画『私は白鳥』製作委員会

毎年シベリアから越冬のために白鳥が飛来する富山県を舞台に、翼が折れ、群からたった一羽取り残された白鳥と、その白鳥を見守り続ける一人の男性の交流を記録したドキュメンタリー作品。「自分は白鳥だ」と言うちょっと不思議なおじさんと傷ついた白鳥との約4年間は、“まさか”と“奇跡”の連続だった。

●監督:槇谷茂博
●出演・白鳥撮影:澤江弘一
●語り:天海祐希
●主題歌:「スワンソング」石崎ひゅーい
2021年11月20日(土)から富山市・ほとり座にて先行上映
11月27日(土)からユーロスペースほか全国ロードショー

天海 祐希 さん


このアイコンがついている写真はクリックすると拡大できます