済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。100年以上にわたる活動をふまえ、日本最大の社会福祉法人として全職員約64,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
済生会は、405施設・437事業を運営し、66,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
主な症状やからだの部位・特徴、キーワード、病名から病気を調べることができます。症状ごとにその原因やメカニズム、関連する病気などを紹介し、それぞれの病気について早期発見のポイント、予防の基礎知識などを専門医が解説します。
全国の済生会では初期臨床研修医・専攻医・常勤医師、看護師、専門職、事務職や看護学生を募集しています。医療・保健・福祉にかかわる幅広い領域において、地域に密着した現場で活躍できます。
一般の方の心身の健康や暮らしの役に立つ情報を発信中。「症状別病気解説」をはじめとして、特集記事や家族で楽しめる動画など、さまざまなコンテンツを展開しています。
近年、イギリスの若者の評判は、芳しくない。サッカーの試合でのフーリガンの騒動は、目に余る。7月中旬、イギリスに出張したとき、パブの前で屯(たむろ)している失業中と思われる若者を見た。イギリスも酷暑だったので、仕事が終わった夕方にビールを飲むのは、爽快であるが、仕事探しをせずに、昼間からジョッキーを傾ける姿は、好ましくは見えなかった。
今回の訪問ではたくさんの魅力的な若者たちにも出会った。ロンドン東部の貧困地域で会ったJ.ブレイクモアさんもその一人である。彼は、10代に父親の仕事の関係で東京に住んでいた。サイクリングの愛好者であるが、仕事としては社会的に有意義なことをやりたいとずっと思ってきた。
イギリスでも刑務所出所者や障害者が適切な就労の場を見つけることが困難である。そこで中古自転車を購入または無償で譲ってもらい、彼らが修理してインターネットなどで販売するビジネスを行うことにした。修理した自転車は、新品同様に輝いていた。ロンドンオリンピックの開催、ツール・ド・フランスでのイギリス人の優勝が後押し、売り上げは、倍々に増えた。今年は150万ポンド(約2億4千万円)の売り上げを見込んでいる。
事業所は、3カ所構えている。私が訪れた事業所の地域は、途上国からの移民が多く、公園のベンチで失業者らしい人がたくさん所在無げに座っていた。ごみは散乱し、環境は悪い。こんな地域だからこそ刑務所出所者や障害者の仕事の場を創出することは、大変意義が大きい。これが社会的企業である。彼らを社会的企業家(ソーシャルアントレプレナー)と呼んでいる。
社会的企業家を支援するソーシャルインパクト・インベストメントも近年盛んである。これは福祉、環境、人権など社会的に有意義な事業に投資するものである。でも投資によるリターンは、確実に得る。この資金を運用するK.リヒターさんにも会った。イギリスでは急拡大していると自信を持っていた。
イギリスではこのような若者を輩出している。失敗を恐れず、新しい分野に挑戦する。活躍の舞台は、世界全体に及ぶ。
最近の日本の若者は、海外での留学や勤務を望まない。チャレンジ精神が乏しい。語学のハンディを乗り越えてグローバルな活動をする若者が増えないと、日本の未来は暗くなるばかりだ。
1946年富山県高岡市生まれ。69年東京大学法学部卒業、厚生省に入る。自治省、総務庁、在英日本大使館、厚生省社会・援護局長などを経て2003年環境事務次官に就任。08年5月から済生会理事長。現在、日本障害者リハビリテーション協会会長、富山国際大学客員教授なども務めている。著書に「環境福祉学の理論と実践」(編著)「社会福祉の原理と課題」など多数。