済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。100年以上にわたる活動をふまえ、日本最大の社会福祉法人として全職員約66,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
済生会は、405施設・437事業を運営し、66,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
主な症状やからだの部位・特徴、キーワード、病名から病気を調べることができます。症状ごとにその原因やメカニズム、関連する病気などを紹介し、それぞれの病気について早期発見のポイント、予防の基礎知識などを専門医が解説します。
全国の済生会では初期臨床研修医・専攻医・常勤医師、看護師、専門職、事務職や看護学生を募集しています。医療・保健・福祉にかかわる幅広い領域において、地域に密着した現場で活躍できます。
一般の方の心身の健康や暮らしの役に立つ情報を発信中。「症状別病気解説」をはじめとして、特集記事や家族で楽しめる動画など、さまざまなコンテンツを展開しています。
2024.12.25
中耳炎とは、耳の鼓膜の向こう側にある鼓室と耳小骨の部分を指す「中耳」の部分に炎症が起きる病気です。中耳には空気で満たされた鼓室(中耳腔)と、鼓膜と内耳をつなぐ小さなの骨(耳小骨)があり、音を増幅する役割を担っています。また、鼓室には鼓索神経という味覚に関与する神経も通っています。
一般的に、中耳炎は子どもが起こしやすい「急性中耳炎」を指す場合が多いですが、ほかにも中耳炎にはいくつか種類があります。
ズキズキと激しく耳が痛む、鼓膜が腫れて耳が詰まっている感じがする、難聴、耳鳴り、めまい、発熱といった症状があります。症状が進むと鼓膜が破れて、中耳にたまった膿(耳漏=じろう、または耳だれという)が出てくることもあります。
耳の穴に挿して使う内視鏡器具である耳鏡(じきょう)で、鼓膜の状態を見ます。顕微鏡を使用して観察する場合や、聴力検査やレントゲン、CT、耳漏を摂取して培養検査を行なう場合もあります。
中耳炎の状態によって異なります。飲み薬や点耳液(耳の中に直接垂らす薬)の使用で治療できる場合もありますが、鼓膜表面の皮膚が鼓膜の裏側(中耳)に入り込み、層状に蓄積して真珠状の腫瘍ができる球状真珠腫性中耳炎など、治療には手術が必要な場合もあります。
耳の激しい痛みや難聴、めまいなどの症状がある場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診してください。
中耳炎の状態によって異なりますが、急性中耳炎の場合は風邪を引かないこと、鼻をすすらないことが予防になります。一方で、前庭と接触している耳小骨の一部(アブミ骨)が硬くなり、うまく動かなくなることで難聴や耳鳴りが起きる耳硬化症など、予防ができない中耳炎もあります。早期発見につなげられるよう、耳の聞こえづらさや痛みを感じたら早めに病院を受診してください。
解説:鈴木知子
福島総合病院
耳鼻咽喉科 医長
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