社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)

2021.06.30

再発性アフタ性口内炎

recurrent aphthous stomatitis

野田 直人 (三条病院 歯科口腔外科 医長)

再発性アフタ性口内炎はこんな病気

再発性アフタ性口内炎は、アフタの再発を繰り返す口腔粘膜の炎症です。
アフタとは直径数ミリの大きさの円形や楕円形の浅い潰瘍のことで、表面は灰白色や黄白色の膜状のもので覆われ、周囲は赤くなっています。触れると痛みがあり、くちびるの粘膜や舌、頬の粘膜によく発生します。

再発性アフタ性口内炎は「再発性習慣性アフタ」「慢性再発性アフタ」とも呼ばれ、口腔粘膜の病気の中では最も発生頻度が高く、全人口の20~60%で発生するとの報告があります。どの年齢でも発症しますが20~30歳代に多くみられ、男性よりも女性に多い病気です。

再発性アフタ性口内炎の症状

アフタは食物や歯ブラシなどがちょっと触れただけで強い痛みがあります。また、刺激性の食物や、熱いもの・塩辛いものが染みることもあります。アフタそのものは何もしなくても1~2週間で自然治癒します。

別の病気が潜んでいることも
口内炎には再発性アフタ性口内炎のように自然治癒するものもあれば、ヘルペスウイルスが引き起こす口内炎や白血病ベーチェット病などが潜んでいることもあります。また口腔がんの症状と区別しづらいものもあるため、2週間以上経過しても治癒しない場合は専門医で受診してくだい。

再発性アフタ性口内炎の治療法

根治的な治療法はなく対症療法が主体となります。対症療法とは、病気の原因に対してではなく、病気の症状を緩和させ、苦痛をやわらげるための治療です。
治療では、副腎皮質ステロイド薬入り軟膏、口腔粘膜貼付錠、噴霧薬、うがい薬を使用しますが、ときには内服薬を使うこともあります。内服薬では、非ステロイド性抗炎症薬、抗アレルギー薬、ビタミン薬、漢方薬などを用います
いずれも使用後すぐには治癒しませんが、苦痛をやわらげて治癒期間を早めることができます。

通常、痛みが出てから初めて症状を自覚するため、早期に発見するのは困難です。ベーチェット病の一症状として現れるケースや、その他の病気が潜んでいることもあります。発症後2週間以上経過しても痛みが治まらない場合は、専門医を受診してください。

再発性アフタ性口内炎は原因が不明のため、予防が難しい病気です。下記で紹介しているように、偏った栄養摂取や栄養素の不足が関係しているともいわれていますが、それはこの病気に限ったことではありません。
何度も繰り返す場合は、口腔内を清潔にするようにしましょう。また、疲労やストレスなどで免疫力が落ちたときに起こりやすいともいわれていますので、体調管理には気をつけましょう。

再発性アフタ性口内炎は原因が不明
機械的刺激(口腔内の外傷)、遺伝性、極端な疲労、ストレス、喫煙、薬物、血液成分の欠乏症、炎症性消化器疾患、歯磨き剤、ウイルス、細菌、アレルギー、ホルモン、免疫学的異常などさまざまな原因がいわれていますが、いまだに明らかにはなっていません。
ベーチェット病では遺伝的な要因が注目されています。また、偏った栄養摂取などいろいろな要素が絡み合って発症するともいわれます。栄養素では、鉄、ビタミンB12、葉酸などの不足が関与していると考えられています。

野田 直人

野田 直人
三条病院
歯科口腔外科 医長


※所属・役職は本ページ公開当時のものです。異動等により変わる場合もありますので、ご了承ください。

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