社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)

2023.09.05

総裁 秋篠宮皇嗣殿下、済生会総研と乳児院をご訪問



 済生会総裁の秋篠宮皇嗣殿下は4日、東京都港区三田の済生会保健・医療・福祉総合研究所(済生会総研)と隣の済生会中央病院附属乳児院をご訪問になり、研究内容や子どもたちの保育・療育状況を視察されました。
 
 平成29(2017)年に発足した済生会総研は、研究と人材開発の2部門で運営。研究部門は医療経営や臨床現場など医療の課題、福祉では誰も排除されない社会を目指すソーシャルインクルージョン活動として障害者や刑務所等出所者への支援のあり方などについて研究。人材開発部門はその活動に携わる人材を育成しています。
 殿下は、研究所長の炭谷茂・済生会理事長の概略説明の後、現在、実施中の「新型コロナウイルス感染症患者の入院中死亡に関する研究」について山口直人・研究部門長の説明を受けられました。この研究は、済生会75病院に入院した患者24,364人のうち亡くなった患者1,034人を追跡し、糖尿病など死亡を増加させる12疾患群との関連を分析しています。殿下は国民の健康を危惧しパンデミック当初から強い関心を示されており、専門的な質問を幾つもなさいました。

 続いて済生会総研客員研究員で愛媛・松山病院の鈴木康之麻酔科部長が「周術期アナフィラキシー反応」についてご説明。アナフィラキシーはハチに刺された時に起こるとして知られていますが、薬剤を使用した時にも起こることがあります。鈴木研究員は、麻酔薬が原因で起こるアナフィラキシーにおいて重要な役割をもつ可能性がある受容体の遺伝子解析結果や、その受容体の働きを抑える薬剤の開発研究について報告しました。

 1日は関東大震災から100年でした。同乳児院はその5カ月後、親を亡くした震災孤児を主な対象として設立されました。太平洋戦争後、戦災孤児等も多く預かりましたが、現在はその役割が変化し、虐待を受けたり親に精神障害があったり、親の側の問題によるケースが多くなっています。また、里親相談や一般家庭の子育て支援も重要な職務となっています。殿下の同乳児院ご訪問は2回目ですが、令和2(2020)年に新築されてから初めてです。 
 岡尾良一・乳児院長から説明を受けられた後、殿下は3~6カ月の乳児や幼児がプレイルームで遊ぶ様子を笑顔でご覧になりました。

本部事務広報室

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