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三重
明和病院
25.11.20

患者急変時の対応を学ぶ

村田浩人副院長がスライド資料を用いて、患者急変時対応を説明し、参加者が聞いている写真

7月29日、〈三重〉明和病院の村田浩人副院長による急変時の対応と救急カート使用についての勉強会を実施しました。勉強会では、参加した21人の医師・看護師・介護士がチームで連携しながら、「もしもの備え」として対応の流れをシミュレーション形式で実践して確認。経験の浅いスタッフも安心して参加できる雰囲気を意識して、多職種が声をかけ合いながら学習しました。救急カートの使い方、物品の配置や使用方法も丁寧に確認。新人からベテランまでの全員で知識と動きを共有し、「いざ」というときに誰もが冷静に対応できるよう、チーム全体でスキルアップを図っています。参加者からは「急変時には一人ひとりが役割を理解して行動することの重要性や、DNARでも蘇生する可能性が高い『初見』などがあれば蘇生処置を行なう場合があることを学べてよかった」との声が聞かれました。

DNARとは

“do not attempt resuscitation”の略で、患者本人または家族等、患者の利益にかかわる代理者の意思決定をうけて心肺蘇生法を行なわないこと。ただし、患者・代理者へのインフォームドコンセントと社会的な患者の医療拒否権の保障が前提となります。1995年日本救急医学会救命救急法検討委員会では「DNRとは尊厳死の概念に相通じるもので、癌の末期・老衰・救命の可能性がない患者などで、本人または家族の希望で心肺蘇生法(CPR)をおこなわないこと」、「これに基づいて医師が指示する場合をDNR指示(do not resuscitation order)という」との定義が示されています。
日本では医療拒否権について明確な社会合意が形成されたとはいい難く、DNR実施のガイドラインについて公的な発表はされていません。AHA Guideline 2000では、DNRは蘇生する可能性が高いのに蘇生治療は施行しないとの印象を持たれ易いとの考えから、attemptを加え、蘇生が成功する見込みがない時に蘇生のための処置を試みないことを意味するDNARが使用されています。