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ネパール大地震に対する医療支援

医療班で派遣、隊員の体調管理にあたる 大阪府済生会千里病院 ICU 看護師 山口 直樹
写真はいずれもJICAの提供


左の赤いベストが筆者



 私は、国際緊急援助隊救助チームの一員として4月28日〜5月7日まで現地で支援をしました。チームは、外務省職員を団長として救急救助要員や救助犬ハンドラー、医療班など計70人です。

 救助チームは、被災者の捜索、発見、救出、応急処置、安全な場所への移送が主な任務です。チャーター機の活用などにより、日本政府が派遣を決定したら、迅速に出発できるよう準備を整えています。我々医療班は、被災者への医療活動だけでなく、活動隊員やハンドラー(救助犬も含む)の体調管理もその任務としています。
 今回はネパールの空港の混乱があり、28日に現地入りとなりましたが、迅速な救助活動を、現地の軍や警察と協力して展開しました。

 世界遺産に登録されているカトマンズ市内の、旧王宮「ハヌマン・ドカ」近くにあるクリシュナマンディール寺院で、懸命な捜索・救助活動にあたりました。活動中、がれきに埋もれていた1人の要救助者を発見しましたが、残念ながら救助後に死亡が確認されました。また、カトマンズの東約20㎞にある古都バクタプールでも捜索・救助活動を行いました。
 私は医療班として、要救助者への対応や過酷な救助活動に晒(さら)される活動隊員やハンドラーに対する体調管理に当たりました。

 被災地では、被災間もなくの生々しい悲惨な現状に心を痛めました。また、日頃の訓練とは違い、隊員たちのケアを通して、災害医療の学びを深めることができました。今回の地震により、近隣国を含めた死者は8700人を、負傷者は2万人を超えるとの情報があります。被災された方々の安寧と、被災地の早期復興を心よりお祈りいたします。