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どうしましたか?症状別病気解説

病院を訪れると、最初に医師による問診があります。「今日はどうしましたか?」という声をかけられた方も多いのではないでしょうか。しかし、医療の専門家でない方にとっては、どう伝えればいいのかが分かりづらいのも事実です。そこで、この「症状別病気解説」では、患者さんから医師への伝え方のポイントを解説していきます。

1.自覚症状の伝え方

症状の感じ方、訴え方は人によって違います。人によって違う自覚症状を、医師はどのように判断して治療の糸口をみつけるのでしょう。それは、患者さんからの十分な情報があってこそ、早期診断、早期治療が可能になるのです。
自覚症状を上手に伝えるためのポイントは次のとおりです。

(1) 症状の正確な場所、症状の性質を伝える
その症状がある体の場所を具体的に示してください。症状はその場所だけにとどまっているのか、あるいは広がっているのか、場所が変化するのか。また、どのような症状なのか説明してください(痛みならズキズキ、キリキリ、チクチク、ヒリヒリ、ジンジン、あるいは「針で刺される」「電気が走る」「焼けるような」「締め付けられる」など)

(2) 症状の辛さの程度と困り具合を伝える
その症状によって日常生活や仕事にどのような支障が出ているのか具体的に説明してください。また、いままでに経験した症状の辛さと比較してどうなのかを伝えることも有効です。症状の辛さを10段階で表現したり、フェイススケールなどで示したりする方法もあります。

(3) 症状が起こったときのこと、症状が出たきっかけを伝える
その症状がいつから、どのような状況で、何をきっかけに始まったかを具体的に説明してください。

(4) 症状が時間とともにどのように変わったかを伝える、悪化または軽減するきっかけがあれば伝える
その症状が時間経過の中でどのように変化しているかを具体的に説明してください。
・秒単位、日単位、月単位、など
・強くなったり弱くなったりする、だんだんひどくなっている、急に起こってそのまま続いている、など
また症状が悪化したり和らいだりするきっかけがあれば教えてください(「冷風に当たったとき」「夜間寝ているとき」「姿勢を変えると」など)

2.過去の病歴・生活背景

医師は問診をしながら、まず、その症状が緊急の状態であるかどうか、重大疾患の可能性があるのかどうかを探ります。診察時には、血圧、脈拍、体温、意識、食欲、便通、睡眠、体重の変化などのほか、年齢、性別、職業、家族構成、喫煙・飲酒、アレルギー、服薬状況、既往歴、家族の病気など、患者さんのさまざまな情報から可能性のある病気のリストを頭の中ですばやく作成し、絞り込んでいきます。
お薬手帳、健診結果、最近の血液検査の結果、入院中に受けた検査結果、紹介状のコピーや退院サマリーなどは患者さんの健康状態に関する情報が豊富にあります。大切に保管しておいてください。

80%の病気は問診で診断がつくとまでいわれるように、医師にとって問診はとても大切な情報収集の機会です。患者さんから聞き取った情報で診断のスピードや正確さ、検査の種類や量が変わってきます。

3.希望を伝える

医師にはなかなか質問したり、希望を伝えたりしにくいかもしれませんが、言いたいことを伝えられないと不満が残り、心配が解消されないまま、すれ違いが生じることにもなります。患者さんと医師の信頼関係がなければ治療目標が定まりません。

心配なことがあったらまずそれを伝えてください。例えば、症状はたいしたことがなくても、重い病気を心配して受診することもあるでしょう。その場合は、遠慮せず病名を伝えてください。
病名が知りたい、回復の見込みを知りたい、薬を飲むべきか知りたい...知りたいことがあれば聞いてください。

受けたい検査がある、もっと飲みやすい薬に替えてほしい、といった具体的な希望があれば教えてください。保健医療サービスとして許される範囲で希望に沿えるように、医師と患者さんで話し合いながら決めていきましょう。

症状の現れ方は、症状の強さと時間経過の関係から、さまざまなパターンがみられます。自分の症状がどのタイプかを医師に伝えると診断に役立ちます。ここでは次の8タイプにわけて解説します。

タイプ(1)

症状が一瞬、または秒単位で頂点に達するパターンです。瞬間の痛みを感じ、中にはその痛みによって失神してしまうこともあります。その後、出血や炎症の広がりなどにより症状の強さ・持続が左右され、初めの患部以外の場所に痛みを感じることがあります。

【例】裂ける(肉離れ、動脈解離など)、破れる(動脈瘤、気胸)、折れる(骨折)。

Aタイプ[突発完成I型]

タイプ(2)

症状が発生して、秒~分単位で変化していくパターンです。痛みや息苦しさといった症状を感じ、その後の病気が悪化して症状が強くなることもあります。

【例】血栓塞栓症:血管内で血液のかたまり(血栓)ができて血管を塞いだり、流れてきた血栓で血管が詰まったりする状態。心臓の血管で発生すると心臓発作、脳の血管で発生すると脳卒中が起こる。数分で症状が完成するが、すぐ開通すれば一過性に終わる場合もある。

Bタイプ[突発完成II型]

タイプ(3)

普段は異常がないにもかかわらず、症状が突然始まり、突然終わるパターンです。その症状の持続時間や発生頻度は、病気によって異なります。

【例】発作性頻拍症(安静時に突然、心臓の拍動が速くなり、突然元の正常な状態に戻る)、てんかん発作。誘因や前兆はない場合も多い。

Cタイプ[反復I型]

タイプ(4)

タイプ(3)と似ていますが、このパターンは、症状が突然始まるのではなく、数分~数時間の間で徐々に強まり、治まるときも少しずつ緩和されていくという点が異なります。

【例】片頭痛、狭心症気管支喘息過敏性腸症候群尿路結石、陣痛など 。

Dタイプ[反復II型]

タイプ(5)

鈍い痛みや、ジンジン・ヒリヒリ感が持続するパターンです。見た目に傷がないのに、こうした症状が現れる場合には、神経が傷つくことで起こる病気が考えられます。

【例】帯状疱疹に伴う痛み 糖尿病性神経障害(糖尿病の合併症の1つ)。

Eタイプ[断続型]

タイプ(6)

症状の強さが時間~日単位でゆっくり増幅していくパターンです。感染症などによって細胞が壊されている場合など、臓器により後遺症を残すこともあります。

【例】急性感染症、急性炎症、細菌性肺炎、髄膜炎など。

Fタイプ[増悪(ぞうあく)I型]

タイプ(7)

月~年単位で症状の強さが増していくパターンです。症状が消えることはあまりなく、時間が経過するごとに、少しずつ悪化していきます。

【例】アルツハイマー病、筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症などの神経難病。

Gタイプ[増悪II型]

タイプ(8)

タイプ(2)のように、症状が突然発生することが複数回起こり、月~年単位でだんだんと症状が強くなるパターンです。発生するたびに徐々に症状が悪化していきます。

【例】多発性脳梗塞(脳血管に複数の梗塞が発生する。高齢者によくみられ、認知症の原因になる)。

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中村隆志

解説:中村 隆志 
済生会滋賀県病院 院長代行 
医学博士、日本内科学会総合内科専門医・指導医

滋賀県病院 総合内科

問診での情報交換のコツ 10カ条 (PDF)
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