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前田敦子 さん

前田敦子 さん
プロフ

「どんな状況でも飛び込める」度胸の持ち主。異国での孤独な冒険、酸素の薄い高地で名曲を歌い上げるなど、最新映画の舞台裏から、気になるプライベートまで語ってくれました。

「どんな状況でも飛び込める」度胸の持ち主。異国での孤独な冒険、酸素の薄い高地で名曲を歌い上げるなど、最新映画の舞台裏から、気になるプライベートまで語ってくれました。

 国内外で高い人気を誇る黒沢清監督に、「フレームに写っただけで独特の強さと孤独感を表現できるすごい女優」といわせた前田敦子さん。ウズベキスタンという未知の環境で、その個性をいかんなく発揮し、旅で成長する主人公を演じきった。

 最大の山場は、標高2443メートルの山頂で行なわれたアカペラの撮影。名曲『愛の讃歌』を歌うため、日本で約半年ボイストレーニングを積んだが、息苦しくて思うように声が出ない。「それでも、これが私の限界ですというものを出さなければここまできた意味がない。そのおもいを監督もわかってくれて、気づいたら6~7時間歌い続けていました。納得できるまでやらせてくださった監督には感謝しかありません」

 一カ月におよぶロケでの一番の収穫は、スタッフ、共演者とすぐに打ち解けられたこと。「けっこう構えちゃうタイプ」だが、言葉も通じない異国ではお互いに土足で踏み込むしかない。「自分から積極的に話しかけることができて心地よかった。ちょっとした環境の違いで、人って変われるんだなってあらためて感じました」

 私生活での変化で、仕事への向き合い方も変わった。
「焦らず、今、目の前にあることを大切にしたいと思うようになりました。次から次へとがんばっていたときも幸せだったけど、最近は“次”より“今”。目の前の作品とこれまで以上に向き合い、心に焼き付けて、それから次に進みたい。それが今の私の幸せです」

文:みやじまなおみ 写真:広田成太(機関紙「済生」2019年6月)
スタイリスト:岡本純子 ヘアメイク:竹下あゆみ

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『旅のおわり世界のはじまり』

『旅のおわり世界のはじまり』
©2019「旅のおわり世界のはじまり」製作委員会/UZBEKKINO

テレビリポーターの葉子は巨大な湖に棲む‐幻の怪魚‐を探すため、番組クルーとウズベキスタン共和国を訪れた。夢は、歌うこと。その情熱を胸に秘め、目の前の仕事を懸命にこなしている。ある日の撮影が終わり、一人街に出た彼女は、聴こえてきたかすかな歌声に誘われ、美しい装飾が施された劇場に迷い込む。そして扉の先で、夢と現実が交差する不思議な経験をする――。彼女が、旅の果てで出合ったものとは…?

●監督・脚本:黒沢清
●出演:前田敦子、加瀬亮、染谷将太、柄本時生、アディズ・ラジャボフ ほか
2019年6月14日(金)より全国ロードショー


前田敦子 さん