社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)

なでしこ紋章の由来

初代総裁・伏見宮貞愛(ふしみのみやさだなる)親王殿下は、明治45年、済生会の事業の精神を、野に咲く撫子(なでしこ)に託して次のように歌にお詠みになりました。

露にふす 末野の小草 いかにぞと
あさ夕かかる わがこころかな

─野の果てで、露に打たれてしおれるナデシコのように、生活に困窮し、社会の片隅で病んで伏している人はいないだろうか、いつも気にかかってしかたがない─

この歌にちなんで、いつの世にもその趣旨を忘れないようにと、撫子の花葉に露をあしらったものを、大正元年以来、済生会の紋章としています。

初代総裁 伏見宮貞愛親王殿下
初代総裁 伏見宮貞愛親王殿下

なでしこ紋章

明治天皇は、「済生勅語」で救済する対象者を「無告の窮民」と例示しています。無告の窮民とは、極貧にあえいでいることを自分の代わりに誰かに訴えてくれる身寄りがいない人、つまり訴えるすべすら持たない困窮者と言う意味です。その人たちに目を向けよう、「済生」しようというのが勅語の主旨です。
当時はそのような極貧の人たちがたくさんいました。しかし、新憲法下、経済の発展に加えて社会保障制度が充実し、確かに一時、生活困窮者は減りました。そのため、「施薬救療」の精神を現代に生かしている無料低額診療制度はその重要性を失い、無料低額診療事業を存立の根幹としている済生会は危機を迎えました。しかし、さらに時代は進んで現在に至り、社会の困窮はその様相を変えながら、むしろ広がっています。
済生会は新しい貧困のかたちに対応した生活困窮者支援事業を「なでしこプラン」と名付け、平成22年度から実施しています。生活保護受給者にとどまらず、ホームレス、刑務所出所者、DV被害者、外国人、独り暮らしのお年寄り等、対象をすべての「末野の小草」(撫子)に広げて支援を続けています。