薬のネーミング
新薬は二つの名前を持っています。一つは成分を表す「一般名(成分名):ジェネリックネーム」、もう1つは「商品名:ブランドネーム」です。「ジェネリック」は英語で「一般的な」という意味で、ジェネリック医薬品は、一般名(成分名)に製薬メーカーの屋号を付けた名前で販売されています。

済生会は、明治天皇が医療によって生活困窮者を救済しようと明治44(1911)年に設立しました。100年以上にわたる活動をふまえ、日本最大の社会福祉法人として全職員約66,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。
済生会は、405施設・437事業を運営し、66,000人が働く、日本最大の社会福祉法人です。全国の施設が連携し、ソーシャルインクルージョンの推進、最新の医療による地域貢献、医療と福祉のシームレスなサービス提供などに取り組んでいます。
主な症状やからだの部位・特徴、キーワード、病名から病気を調べることができます。症状ごとにその原因やメカニズム、関連する病気などを紹介し、それぞれの病気について早期発見のポイント、予防の基礎知識などを専門医が解説します。
全国の済生会では初期臨床研修医・専攻医・常勤医師、看護師、専門職、事務職や看護学生を募集しています。医療・保健・福祉にかかわる幅広い領域において、地域に密着した現場で活躍できます。
一般の方の心身の健康や暮らしの役に立つ情報を発信中。「症状別病気解説」をはじめとして、特集記事や家族で楽しめる動画など、さまざまなコンテンツを展開しています。
2022.04.08
Vol.03
「後発医薬品の品質および安定供給の信頼性確保を図りつつ、2023年度末までに全ての都道府県で80%以上」というジェネリック医薬品の使用割合の目標が国で定められたことをご存じでしょうか?
ジェネリック医薬品を使用することで、皆さんが窓口で支払う自己負担額を減らせるだけでなく、税金や保険料でまかなわれている医療費全体の節約になり、未来の医療を守ることにつながります。
ジェネリック医薬品の成り立ち
医師が処方する医療用医薬品の中で「新薬(先発医薬品)」と呼ばれるものは、製薬メーカーが10年単位の年月をかけて病気に効くと思われる成分を発見し、動物実験(非臨床試験)を経て、さらに人で有効性や安全性を確かめる臨床試験(治験)を行なった結果を国が認めた後に、患者さんの手元に届いています。
そこには長い年月と多額の開発費用がかかっていますが、一定の期間が過ぎて新薬の特許が切れてしまうと、他の製薬メーカーも多額の開発費用をかけずに、短期間で同じ成分の薬を製造できるようになります。
こうして、新薬と同じ成分で作られ、厳しい基準や規制をクリアした上で、国に品質・有効成分・安全性が新薬と同等であると認められたものを「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」といいます。
薬のネーミング
新薬は二つの名前を持っています。一つは成分を表す「一般名(成分名):ジェネリックネーム」、もう1つは「商品名:ブランドネーム」です。「ジェネリック」は英語で「一般的な」という意味で、ジェネリック医薬品は、一般名(成分名)に製薬メーカーの屋号を付けた名前で販売されています。
新薬とジェネリック医薬品の違いって?
大きな違いは、薬の値段=「薬価」です。
新薬の薬価は、類似する薬の薬価を参考に算定されます。特にこれまでにない薬の効果(薬効)を持つものは、原料費や製造にかかる費用、そしてその希少性などによって評価され、薬価がつけられます。
最近では、高額な薬価の抗がん剤が話題になりました。しかし、ジェネリック医薬品は開発費用をかけずに薬を製造することができるため、新薬の40~60%程度の薬価になっています。
次に、「添加剤」が違います。
ほとんどの薬には、添加剤が含まれています。添加剤は、薬を作る上で必要なもので、成型したり、安定化させたりする目的で使われています。この添加剤は、製薬メーカーによって異なります。
ジェネリック医薬品を使用する際に注意すること
添加剤が違っていることで、新薬とジェネリック医薬品は、全く同じものとはいえません。新薬からジェネリック医薬品に変更する場合、切り替えてすぐは、体調の変化に気をつけてください。
また、薬の名前が異なりますので、今まで飲んでいた薬がどんな名前のジェネリック医薬品に変わったのか、分かるように「お薬手帳」を活用しましょう。
国は医療費抑制のために、ジェネリック医薬品の使用を推進しています。メリットを理解して賢い消費者になり、未来に向けて安心して医療が受けられるように、協力していきましょう。
※掲載している情報および解説者の所属・役職は、本ページ公開当時のものです。