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シェーグレン症候群

Sjogren Syndrome

解説:木村 寛 (富山県済生会富山病院 耳鼻咽喉科部長)

シェーグレン症候群はこんな病気

シェーグレン症候群は、この病気を最初に発見したスウェ―デン人医師シェーグレン氏の名前にちなんで命名されました。唾液を作る唾液腺や、涙を作る涙腺に障害が起きる病気です。そのため、口の乾き(ドライマウス)や目の乾き(ドライアイ)が起きます。難病に指定されており、重症の方は医療費助成を申請できます。

※参考:難病情報センター シェーグレン症候群(指定難病53)

原因は完全に解明されたわけではありません。しかし、なんらかのウイルス感染をきっかけとして、本来は自分の身体を守る免疫が、誤って自分の唾液腺や涙腺を攻撃してしまう、自己免疫システム異常によると考えられています。

40~60代の中高年の女性に多いことが特徴です。日本には人口10万人あたり約15人の患者さんがいるといわれています。しかし、病気自体がまだ広く認知されていないため、実際にはこの人数より多くの患者さんが存在するのではないか、と考えられています。

シェーグレン症候群の症状と診断

主な症状として、唾液が出にくくなって口が乾き、口内炎や虫歯ができやすくなります。口の乾きから、夜間に水を飲むために起きることが増え、寝不足や体調不良の原因にもなります。目が乾いて涙が出にくくなるため、目が痛くなったり、疲れやすくなるのも特徴です。頻度は少ないのですが、唾液腺や涙腺だけでなく全身の臓器、例えば甲状腺、肺、肝臓などの障害も起こします。甲状腺が障害された場合は甲状腺ホルモンが低下し、倦怠感や便秘、肺が障害された場合は咳が出て、肝臓の場合は黄疸がみられます。また、関節の痛みを起こす関節リウマチや、皮膚が厚く硬くなる全身性硬化症など、リウマチ性の病気を合併する場合も少なくありません。

診断は唾液の分泌検査、涙の分泌検査、血液検査、唾液腺または涙腺の組織の状態を調べる検査を行い、これらのうち2つの検査で異常があった場合にシェーグレン症候群と診断されます。

シェーグレン症候群の治療法

完全な治療法は残念ながらまだありません。しかし、症状を緩和する方法は幾つもあり、口の乾きや目の乾きを和らげる薬で、快適な日常生活を送れるように治療します。口の乾きには唾液の分泌を刺激する飲み薬や、唾液を補充する人工唾液、口の中を清潔にするためのうがい薬やトローチが使われます。唾液の分泌を促す唾液腺マッサージも効果的です。目の乾きには、涙の分泌を促進する飲み薬や点眼液が使われます。

早期発見のポイント

口の乾きを感じたら、単に口が乾いているだけと我慢せずに、耳鼻咽喉科または歯科口腔外科の医師に相談することが大事です。ストレスで一時的に口が乾くケースもあるので、口や目の乾きが3カ月以上続いたら受診の目安としましょう。

予防の基礎知識

原因は完全に解明されたわけではありませんが、なんらかのウイルス感染が誘因になっていると考えられているので、抵抗力を保つために規則正しい生活を守り、バランスのとれた食事を、よく噛んで食べましょう。適度な運動を心掛けることも大切です。

木村 寛

解説:木村 寛
富山県済生会富山病院
耳鼻咽喉科部長

※当欄に執筆した医師の所属・役職は、異動等により変わる場合もありますので、ご了承ください。

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