個性的な役を演じることの多い生瀬勝久さん。毎回、新しいキャラクターをつくりあげる“職人芸”で存在感を放っています。今秋は、歌い、踊り、戦う、劇団☆新感線の舞台に敵役として登場。2年ぶりとなる舞台を前に現在の心境をお聞きしました。

「与えられた役を常に新鮮に演じたい。『今日の芝居は面白かった』といわれても、次の日に同じことをするのは嫌なんです。だから千秋楽ですべるときもある(笑)。でも、それが僕の生き方なんです」と明るい口調で語る。

　そんな美学を引っさげ、劇団☆新感線の舞台に5年ぶり2度目の出演を果たす。「とにかく観客に楽しんでほしい。先読みできないキャラクターで舞台をかき回し、お客様の血が騒ぐような作品にしたいと思います」

　本作は「世代交代」がテーマの一つだが、生瀬さん自身は、「若い役者さんに、僕らが現場でどれだけ楽しんでいるか見てもらう」スタンスだという。「僕が若手の時代は大好きな先輩、柄本明さん、竹中直人さんを追いかけていました。彼らは今もなお面白い。お会いするたびに『あなたに憧れてこの世界に入りました！』と伝えています。僕もそういう先輩になれたらいいですね」

　そのパワー、若々しさの秘訣は？　「やはりプライベートが充実していること。釣り、ゴルフ、料理･･････いろいろやりたくて時間が足りないぐらいです。それから健康に気をつけて、嫌なことを一切やらない。実は今回の舞台で苦手な歌と踊りに挑戦するんですけどね(笑)」

　一体どんな生瀬さんが見られるのか、乞うご期待！

文：みやじまなおみ　写真：吉川信之(機関誌「済生」2022年9月)
スタイリスト：中谷東一
ヘアメイク：田中智子