陣内 貴美子 さん
現役時代は、勝っても負けても表情を変えない“ポーカーフェイス”。相手に心理を読ませないための戦術として、自ら笑顔を封印してきた陣内貴美子さん。しかし、競技人生を終え、キャスターという新たな舞台に立つと表情が一変します。そ […]
現役時代は、勝っても負けても表情を変えない“ポーカーフェイス”。相手に心理を読ませないための戦術として、自ら笑顔を封印してきた陣内貴美子さん。しかし、競技人生を終え、キャスターという新たな舞台に立つと表情が一変します。その理由について伺いました。
引退後はコーチとして歩み始めるはずだった。しかし、テレビ出演をきっかけにスポーツキャスターへの道が開ける。「とはいえ、熊本弁はあるし、原稿もうまく読めない。アナウンサーとしての訓練を受けたわけでもない。自分には向いていないと毎日のように思ってました」
転機となったのは、ラジオ番組で出会ったTBSアナウンサー大沢悠里さんからのひと言だった。「貴美はアナウンサーじゃないんだから、心で話せばいい」
その言葉で肩の力が抜けたという。上手に話そうとするのではなく、自分自身の競技経験や選手としての気持ちを伝えればいい。そう考えられるようになってから、自然と笑顔も増えていった。「すると、選手のほうから“こういうとき陣内さんはどうしましたか?”と相談されるようになったんです。取材する側とされる側、両方の立場を知る私だからこそ、選手とメディアとの橋渡しもできるんじゃないか。そこに自分の役割を見つけることができました」
その後はさらにニュースキャスターを経験。14年もの間、夕方のニュース番組を支え、飾らないコメントとともにその笑顔もお茶の間に浸透していった。「今は自由を満喫中。ただし健康でいないと。『元気があれば何でもできる』という言葉が心に染みます(笑)」と語る陣内さん。勝負の世界で磨いた強さは、今、人に寄り添うやさしさへと姿を変えている。
文:みやじまなおみ 写真:菅原有希子(機関誌「済生」2026年9月)
衣装クレジット:トップス・パンツ MOGA (モガ)、イヤーカフ Jouete(ジュエッテ)

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