社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)
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ネパール大地震に対する医療支援

巨大余震による土煙と叫び声の中、頭部外傷や骨折の患者が次々と 岡山済生会総合病院 看護師長 赤沢 由子
写真はいずれもJICAの提供

 私は国際緊急援助隊医療チームの二次隊の一員として派遣されました。二次隊は、団長(医師)1、副団長(外務省職員、JICA業務調整担当)2、医師5、看護師12、検査技師1、放射線技師1、薬剤師2、臨床工学技士1、医療調整員4、業務調整員5の34人体制でした。


左が筆者




12日余震発生によって負傷した被災者の野外での処置

 医療チームの活動場所はバラビセ村(カトマンズから北東へ車で3時間程)でした。一次隊が野外病院を設立し、一日100人近くの被災者の診療、手術等をしていました。二次隊はこれを引き継ぎました。
 一次隊、二次隊とも、基本的診療機能に加え、手術・病棟機能を持って高度な医療ニーズを満たす、初の機能拡充チームでした。延べ987 人の診療、22件の手術(現地病院での手術支援を含む)を行い、私は診療介助のほか病棟で活動しました。病棟の患者は、主に手術後や肺炎の人など(1泊入院)でした。看護師は、看護記録・診断を立案しつつ、患者への介入を行いました。

 12日、マグニチュード7.3の余震が発生し、余震による被災者の治療をできる範囲で行った後、カトマンズに移動し、近郊の病院で活動しました。私は整形病棟での支援を担当しましたが、骨折のため牽引や創外固定をする患者が多かったです。普段24床の同病棟が、地震後41床まで増えたため、廊下で治療を受ける人もいました。18日、任務を完了し、20日早朝、日本に帰国しました。
 12日の余震で、目の前の山や家が崩れ、一瞬土煙で視界が閉ざされました。恐怖で泣き叫ぶ人がいて、病院には頭部外傷で流血する人や骨折で痛みを訴える人が運ばれてきました。強い衝撃で、今でも思い出し、この先も忘れられないと思います。
 災害時は、すべての人がすぐに診療の対象にはなりません。そのため、ゲートコントロール(混乱を避けるために立ち入りを制限)せざるを得ないことに私は複雑な心境となり、「この状況の中で何をするべきか」を考えさせられました。

 今後は、日本でできることを探し、この経験を災害医療活動に生かしていきたいと思います。
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