篠井 英介 さん
1958年生まれ、石川県出身。1984年、男優だけのネオかぶき劇団「花組芝居」の旗揚げに参加。看板女優として人気を博す。1990年に退団し、女方だけでなく、中性的な役や悪役など、変幻自在の演技派俳優として舞台やドラマ、映画などで活躍。1992年、第29回ゴールデンアロー賞演劇新人賞受賞。2023年には、どちらも女方で出演した、イキウメ『人魂を届けに』、ケムリ研究所『眠くなっちゃった』の公演で紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞。40年間、現代演劇で女方のキャリアを持つ唯一無二の存在として、第一線で活躍し続けている。日本舞踊・宗家藤間流の名取でもある。
「この作品が人生で一番好き」と語る俳優・篠井英介さんが、『欲望という名の電車』のブランチ役に19年ぶりに挑みます。中学生の頃に心を撃ち抜かれ、「女方」になる決意を与えてくれた特別な戯曲。男性であることを隠さず、それでも舞台上に「女性が立ち現れる」演技を追い求めてきた境地をうかがいました。
「年齢や体力を考え、もうブランチ役をやることはないだろうと思っていたんです。ところがここ数年、ハードな舞台を重ねる中で“まだできるかもしれない”という感覚が芽生えて、19年ぶり4度目の再演が実現することになりました」と、にこやかに語る。
篠井英介さんが40年もの間、一貫して大切にしてきたのは、現代演劇における「女方」のあり方だ。外見的な女性らしさや装いを排し、男であることをあからさまにしたまま舞台に立つ。それでも観ているうちに、その人物が女性に見えてくるから不思議だ。「そこに必要なのは、俳優の技術と観客の想像力」だという。
かつて「男が女を演じる」ことは異端であり、『欲望という名の電車』の上演が許可されなかった時期も経験した。それでもあきらめず抱き続けた思いは時代の変化とともに実を結び、いま再びブランチへとつながっている。「今回がきっと最後。今67歳の私がどんなブランチを演じるのか、見物ですよ(笑)」
舞台を降りれば、「芝居を観に行き、そのあと何を食べようかと考え、時々古いジャズを聴いて、夜は翌日のためにしっかり寝る。ごく平凡な生活ですよ」と篠井さん。その日常が気持ちをあらたに、また次の舞台へ向かう力になっているのかもしれない。
文:みやじまなおみ 写真:安友康博(機関誌「済生」2026年3月)
ヘアメイク:森下奈央子 スタイリスト:大石幸平
『欲望という名の電車』

巨匠テネシー・ウィリアムズの代表作にして、アメリカ演劇の金字塔と言われる戯曲。仕事も財産も失った元名家の令嬢・ブランチ(篠井英介さん)が、ニューオリンズに住む妹夫婦の元に身を寄せるものの、妹の夫・スタンリー(田中哲司さん)と衝突を繰り返し、やがて決定的な亀裂が訪れる。行き場を失ったブランチがたどり着くのは・・・・・・。
⚫︎原作:テネシー・ウィリアムズ
⚫︎翻訳・演出:G2
⚫︎出演:篠井英介、田中哲司、松岡依都美、坂本慶介 ほか
【東京芸術劇場シアターイースト】2026年3月12日(木)~3月22日(日)
【近鉄アート館】2026年4月4日(土)~4月5日(日)
問い合わせ:吉住モータース 03-5827-0632(平日11:00〜18:00)
公式ホームページ:https://yokubou2026.com/

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