2025.08.01

露の 団姫 さん

露の 団姫 さん

1986年生まれ、静岡県出身。子供演劇がきっかけで芝居に興味を持ち劇団に入団。舞台をはじめ、NHK「中学生日記」にもレギュラー出演。2005年、高校卒業と同時に露の団四郎に入門。3年間の修行を経てプロの落語家となる。2011年、天台宗で出家。比叡山延暦寺で修行。2021年、兵庫県尼崎市に天台宗道心寺を開山。縁日寄席やお悩み相談を行なうなど、落語家と尼僧の二刀流として活躍中。著書は『プロの尼さん』『お寺を建てる!』など多数。

プロの落語家兼尼さんとして、高座をはじめ、テレビやラジオなど、全国を飛び回る活躍ぶり。住職を務める天台宗道心寺では、縁日寄席やお悩み相談を定期的に行なっている。そんな露の団姫さんに、落語家と尼僧の二刀流を目指した経緯や厳しい修行から得たもの、これから目指したい姿について聞きました。

18歳で露の団四郎さんに弟子入りし、25歳のとき天台宗で出家した露の団姫さん。お母さまの存在が二刀流への道を切り拓(ひら)いたそう。「落語家と尼さん、どちらか一つの仕事を選べず悩んでいたとき、行政書士とカウンセラーの仕事をしていた母の姿を見て、『仕事は一つに絞らなくてもいいんだ』と気づきました」

落語の大師匠である二代目露の五郎兵衛さんの自宅で3年間の住み込み修行。さらに僧侶になるため、約3~4年比叡山へ通い続けて出家し、厳しい修行を経験。当時の様子をこう振り返る。「大師匠からは落語家としてはもちろん、生き方も学ばせていただき、比叡山行院では自分自身と向き合うことで、仏教の教えを信じて正しく生きることが大事だと教えていただきました」

今年で芸歴20周年の節目を迎える団姫さんは、しっかりと先を見据えている。「芸歴20年とはいえ、落語界ではまだまだ若手。師匠の芸を受け継ぎ、益々精進したいと思います。『弟子を3人育てたら師匠に恩返しできる』という言い伝えがありますので、いずれは弟子をとりたいですね。尼さんとしては縁日寄席やお悩み相談をこれからも続け、少しでも明るい気持ちになってもらえれば。寄席に来た方が仏教に興味を持ってくれたり、その逆も。二刀流が落語と仏教をつなぐきっかけになればうれしく思います」

文:香川けいこ 写真:馬場稔子(機関誌「済生」2025年8月)

書籍『今日は何の日? まるこの日めくり仏教小咄』

書籍『今日は何の日? まるこの日めくり仏教小噺』

テレビでも活躍する落語家兼天台宗尼僧のまるこさんが仏教に絡めたクスリとくる小咄(ばなし)366日分(うるう日含む)。

『「今日は何の日?」に関連する法話をして、そして最後に落語家らしくオチをつける、というスタイルを考えました。そこから本書の原点ともなる、「記念日」×「法話」×「落とし咄」という日めくり仏教小咄が生まれたのです。』 (本書より)

●著者:露の団姫
●発行所:春秋社
●定価:2,420円
公式ホームページ:https://www.tuyunomaruko.com/

露の 団姫 さん


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