2025.10.02

高田 聖子 さん

高田 聖子 さん

1967年生まれ、奈良県出身。大阪芸術大学在学中にスカウトされ、1987年『阿修羅城の瞳~BLOOD GETS IN YOUR EYES』より劇団☆新感線に参加。1995年に自身が立ち上げたプロデュースユニット「月影十番勝負」「月影番外地」の公演も定期的に行ない、2016年に『どどめ雪』で第51回紀伊国屋演劇賞個人賞を、2025年には第32回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞した。劇団公演以外の近年の主な出演作品に、舞台『ベイジルタウンの女神』(2025)『太鼓たたいて笛ふいて』『夫婦パラダイス~街の灯はそこに~』『カラカラ天気と五人の紳士』(2024)などがある。

笑いあり、歌、踊り、立ち回り満載のエンターテインメント作品で知られる劇団☆新感線。記念すべき45周年興行は、歌舞伎『忠臣蔵』をモチーフに、体を張った芝居合戦で観客を魅了します。劇団とともに38年間歩んできた看板俳優の一人、高田聖子さんにとっての劇団☆新感線とは?

 大阪芸大に在学中、先輩の古田新太さんにスカウトされ、劇団☆新感線に引っ張り込まれた。

「最初は抵抗感があったんです。みんな金髪でツンツンしてるし、見た目も怖いヘヴィメタ集団でしたから。ただ、すごく面白そうだなと。アマチュアの舞台とは思えないほどお客さんが盛り上がり、演じる先輩たちも輝いていて。言われるがままおかしなことをやり続け、現在に至るという感じです」

 大阪の小劇場をわかせた学生演劇集団は、やがて東京の大劇場でチケット争奪戦になるほどの人気劇団に。しかし、そんな立場に驕(おご)ることなく、「次の舞台はないかもしれない」と思いながらここまできた。「俳優の道でやっていこう」と覚悟を決めたのは、劇団参加から12年が経った31歳のときだったという。

「いまの自分があることはラッキー以外考えられない。19歳の頃の自分に、『いまだにみんなでばかばかしいことをやってるよ。いい未来が待ってるよ』と言ってあげたいですね」

 さて、これから劇団☆新感線でやりたいことは?

「ここまでは劇団が大きくなっていくための階段を前を向いて一生懸命上がってきたと思う。ここらで一度振り返って、このメンバーで、あの頃みたいにアホらしくて短いお芝居をやってみたい。私はばかばかしいことがやっぱり好きで、そこに命をかけてやりたいんです」

文:みやじまなおみ 写真:安友康博(機関誌「済生」2025年9月)
ヘアメイク・スタイリスト:橋本庸子

2025年劇団☆新感線45周年興行・秋冬公演 チャンピオンまつり いのうえ歌舞伎『爆烈忠臣蔵~桜吹雪 THUNDERSTRUCK』

2025年劇団☆新感線45周年興行・秋冬公演 チャンピオンまつり いのうえ歌舞伎『爆烈忠臣蔵~桜吹雪 THUNDERSTRUCK』

江戸時代を舞台に、歌舞伎の大名作『忠臣蔵』を上演するために愚かしいほどに芝居づくりに情熱を傾け、奔走する演劇人を描く。歌舞伎の名シーンをリスペクトした劇中劇の数々と、これまで劇団が上演してきた45年分の作品をごった煮したセルフパロディ・セルフオマージュの要素が、主宰・いのうえひでのりによる演出で華々しく立ち上がる。

●作:中島かずき
●演出:いのうえひでのり
●出演:古田新太、橋本じゅん、高田聖子、粟根まこと、羽野晶紀、橋本さとし、小池栄子、早乙女太一、向井理 ほか
【松本公演】2025年9月19日(金)~9月23日(火祝) まつもと市民芸術館
【大阪公演】2025年10月9日(木)~10月23日(木) フェスティバルホール
【東京公演】2025年11月9日(日)~12月26日(金)新橋演舞場

高田 聖子 さん


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