社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)

2020.02.28

市原 隼人 さん

市原 隼人 さん

俳優としての美学を捨てて、面白さを追求。
「こんな感覚は初めてです」

世にグルメドラマは数あれど、日本初の「給食」がテーマの作品で、奇想天外な先生役を演じている市原隼人さん。これまで見たことのない姿を惜しげもなく披露し、「役者として新たな境地を開いた」と語る映画について、さらにプライベートまで話を広げて伺いました。

 大人にとっては懐かしい「給食」の時間。給食への愛が強すぎる甘利田先生は、ハイテンションでそのときを迎え、常識にとらわれない食べ方にこだわる中学生に本気でライバル心を燃やす。ダンサーがごとく、全身で喜び、悔しさ、驚きをあらわすポーズは、ほとんどが市原さんのアイデアだ。

「撮影に入る前夜まで、どれだけ振り切った演技をするか、実は葛藤していました。でも、ぎりぎりまで悩んだ末、本来見せたくない姿もお見せして、ぶっ飛んだキャラクターにしようと、監督に自分の考えを伝えました。おかげさまでドラマの評判もよく、劇場版を楽しみにしてくださっている方も多いと聞きます」

 これまでたくさんの芝居を経験し、築いてきた“俳優としての美学”とは全く違う、滑稽さを突き詰め、生まれたスーパーポップな教師像。「自分でも、こんな感覚は初めてです」と、笑みがこぼれる。

 ちなみに、市原さんが好きだった給食メニューは「きな粉パン」。「食べる早さで、こいつにだけは負けたくないというライバルがいたので、味を楽しむことは二の次でしたが(笑)、大好きな時間でした」

 今、好きなのは“時間の無駄遣い”。「オフは気の向くまま自然の中を歩いたり、絵を描いたり、写真や動画を撮ったり、木を彫ったり……。時計を気にせず一つのことに向き合っていると、社会では集団の一部である自分が個に帰ったと感じます。その瞬間、すごく肩の力が抜けて、リラックスできます」

文:みやじまなおみ 写真:吉川信之(機関誌「済生」2020年3月)
スタイリスト:小野和美(Post Foundation) 
ヘアメイク:大森裕行(VANITES)

『劇場版 おいしい給食 Final Battle』

『劇場版 おいしい給食 Final Battle』

©2020「おいしい給食」製作委員会

1984年。給食マニアの教師・甘利田幸男に衝撃が。なんと、学校から給食がなくなるというのだ!!「どちらがよりおいしく給食を食べるか」という超絶給食バトルを甘利田と繰り広げている神野ゴウは、【給食改革】を目指し、生徒会選挙に出馬すると高らかに宣言。そんな2人を見守る新人教師の御園ひとみの心労は果てしない……。給食一筋ウン十年。甘利田は愛する給食を守るため、史上最大の給食バトルに打って出る!

●監督・脚本:綾部真弥  
●配給:AMG エンタテインメント/イオンエンターテイメント 
●出演:市原隼人、武田玲奈、佐藤大志、豊嶋花、辻本達規、水野勝、ドロンズ石本、いとうまい子 ほか
ユナイテッド・シネマ豊洲ほかにて全国公開中

市原 隼人 さん


このアイコンがついている写真はクリックすると拡大できます