社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)

2025.04.01

藤堂 日向 さん

藤堂 日向 さん

今、注目の若手俳優の一人、藤堂日向さん。初主演(宮澤佑さんとW主演)となる映画『夢に生きる』では、夢と現実のはざまで揺れるストリートミュージシャンを演じています。自身の下積み時代とも重なる主人公の姿に共感しつつ、“役に生きる”ために取った驚きの行動とは……?

今、注目の若手俳優の一人、藤堂日向さん。初主演(宮澤佑さんとW主演)となる映画『夢に生きる』では、夢と現実のはざまで揺れるストリートミュージシャンを演じています。自身の下積み時代とも重なる主人公の姿に共感しつつ、“役に生きる”ために取った驚きの行動とは……?

 人懐っこい笑顔の下で、辛酸も舐めてきた。名もない役に明け暮れていたエキストラ時代、雨でびしょぬれになり、凍えそうになった真冬の撮影、オーディションすら受けられなかった日々、悔しさで唇を何度もかみしめた。

「それでも芝居が好きという気持ちに迷いがなかったから、俳優の道を諦めることはありませんでした。映画の主人公シンジ同様、僕もまっすぐ夢を生きています」

 ただし、夢は叶(かな)わなくてもいいと言う。「遠くで燦然(さんぜん)と輝いているからこそ近づこうと努力するし、その道程が自分にとっての血肉になる。それが人生なのかなと思います」

 そんな自分自身とシンジが重なって見えたと藤堂さん。一つだけ理解できなかったのは、路上ライブをやる人の気持ちだ。「それを知りたくて、実際にギター1本担いで路上ライブをやってみたんです。最初は恥ずかしさで手が震え、ギターの弦をしっかり押さえることもできませんでした。でも、音楽で生きていきたい人にとってはこれが一つのステップ。この経験のおかげでシンジになる足がかりができました」

 今はやりたい仕事ができていると感じる。それでも落ち込んだときは?「自然の営みを見ると安心するんです。春なら新芽の力強い姿を見て元気をもらえる。僕にとっては栄養ドリンクです(笑)」

文:みやじまなおみ 写真:安友康博 ヘアメイク:布施ほのか(機関誌「済生」2025年4月)

映画『夢に生きる』

映画『夢に生きる』

©2025 CLANG inc.

アキラは社会人になってミュージシャンになる夢を諦め、日々の仕事に忙殺され自分を見失っていた。シンジはアキラの背中を追いかけ、ミュージシャンになるために上京。アルバイトをしながら路上ライブの日々を送っている。そんな二人が東京の街で再会。現実に追われながら夢を取り戻そうとするアキラと夢を追いながら現実に直面するシンジ、揺れ動く心をリアルに描いたクロスストーリー。

●監督・脚本:石田祐規
●出演:藤堂日向、宮澤佑、奏羽茜、中原シホ、林田隆志 ほか
●2025年3月28日(金) 全国ロードショー

藤堂 日向 さん


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