永作 博美 さん
ながさく ひろみ 1970年、茨城県出身。歌手を経て女優として映画、ドラマ、演劇で活躍。主な作品に映画『ドッペルゲンガー』『好きだ、』『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』『人のセックスを笑うな』『八日目の蝉』など。『八日目の蝉』では第35回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞など多数受賞した。
一日の終わり、珈琲でくつろぐ至福のとき。
一昨年、第二子をもうけた。
「母になって良かったことは、子どもと対等の、同じ目線でいられるようになったこと。子役とも気負いなく共演できます」
映画『さいはてにて』は、その出産後初の撮影となった。出会った幼い姉弟に慕われる、凛とした珈琲店の女店主役。台湾の女性監督の演出が日本式のものと全く違って、新鮮で気持ち良かったという。
「彼女が求めるのは”大人の芝居”。私も『自分の感覚を信じて演じていいんだ』と、女優としての原点に戻った思いでした」
確固たる意思を持った自立した女性に憧れるという。透明感ある美を保つ秘訣を尋ねると、「済んだことは気に病まず、顔と脳の力を抜くこと」と歯切れよく答える。
お産では病院の助産師に世話になった。
「退院のとき感謝の一言を書こうとしたら、思いあふれて手紙みたいに長くなっちゃって。お体に気をつけてと応援したいですね」
役作りで珈琲焙煎を学んだのをきっかけに、自宅でも楽しんでいる。ほろ苦いなかにスッキリした飲み口が好みだ。
「家事すべてを済ませた後、淹れるんです。時々、下の子に飲まれちゃうけれど(笑)」
文:浜口恵美子 写真:吉川信之(2015年2月号)
ヘアメイク:市川土筆 スタイリスト:橋本庸子
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