社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)

2018.08.01

上川隆也 さん

上川隆也 さん
1965年生まれ、東京都出身。1989年、演劇集団キャラメルボックスに入団。2009年の退団まで看板俳優として活躍。1995年、NHKドラマ「大地の子」に主演し、注目を浴びる。1998年には映画『梟の城 owl’s castle』で第23回日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞。TVドラマ「功名が辻」「花咲舞が黙ってない」「エンジェル・ハート」「遺留捜査」「執事 西園寺の名推理」、舞台『ヘンリー六世』など数多くの話題作に出演している。

クールで華のある大人の俳優として脚光を浴び続けている上川隆也さん。次作は、奇想天外な物語、かつド派手なアクションが見どころの『魔界転生』で主役・柳生十兵衛を演じます。 “俳優一筋”を自ら公言、お芝居の原動力についても聞きました。

 インタビュー中ずっと背筋を伸ばし、神妙に質問を聞く姿勢から誠実な人柄が伝わってくる。役者・上川隆也について、「僕は、お芝居しかできない人間。どんな作品、役を演じたいかというより、役者であり続けることが僕にとっての人生の目的であり、そのために求められる役者でい続けたいと思っています」と真摯に語る。

最大の楽しみは、「役の中にいろいろな要素を見出すこと」。演じる人物が迎える局面やシチュエーションで、ひとつのキャラクターがさまざまに変化する。その発見が、限界のない演技に通じるのだという。次の舞台『魔界転生』では、変幻自在な舞台演出も楽しみのひとつ。「この並外れたスケールの時代劇が、舞台上でどう繰り広げられるのか、演者として興味を掻き立てられました。演出家、脚本家からは『年齢に関係なく無茶してもらう。誰も見たことのない作品をつくる』と。そう言われた以上は覚悟を決めて、無茶苦茶してやろうと思います」と、剣士さながらの闘志を燃やす。

一方、プライベートの楽しみは?「休みの日に唯一しないのは、芝居にかかわること。僕は昔からアニメやゲームが大好きで、一日中飽きずに楽しんでいます。はたから見ればだらだら過ごしているように見えるでしょうが、それこそが僕の休暇であり、その傍らに愛犬がいてくれればほかに望むことはありません」

ノワール(仏語で「黒」)という名のミックス犬で、「譲渡会」で出逢い今年8年目を迎えるそう。「今、一番守りたいのは愛犬の健康。仕事柄どうしても離れている時間があるからこそ大事にしたい。」真面目な人柄の奥に潜む、意外な素顔を発見した。

文:みやじまなおみ 写真:広田成太(機関誌「済生」2018年8月)
衣装クレジット:スーツ・シャツ/Losguapos For Stylist
TEL03-6427-8654 東京都渋谷区道玄坂1-17-9ヴェラハイツ道玄坂201
ネクタイ/永島服飾株式会社
TEL 03-5342-0771 東京都中野区弥生町2-25-13永島壱号ビル5階
スタイリスト:黒田匡彦

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『魔界転生』

『魔界転生』

江戸時代初期を舞台に、隻眼の剣士・柳生十兵衛(上川隆也)が、現世によみがえった島原の乱の首謀者・天草四郎(溝端淳平)と、彼が黄泉の国から転生させた歴史上の剣豪たちに立ち向かう時代劇。果たして、十兵衛は、時空を超え、悪鬼となった魔界衆を討ち滅ぼせるのか…? 豪華な役者陣の共演はもちろん、圧倒的スピードの殺陣、変幻自在な巨大舞台装置とプロジェクションマッピングを多用した立体映像表現も見どころ。

●原作:山田風太郎『おぼろ忍法帖』(角川文庫刊)
●演出:堤幸彦
●脚本:マキノノゾミ
●出演:上川隆也、溝端淳平、高岡早紀、浅野ゆう子、松平健 ほか
2018年10月6日(土)~28日(日)博多座
2018年11月3日(土・祝)~27日(火)明治座
2018年12月9日(日)~14日(金)梅田芸術劇場メインホール

 

上川隆也 さん