一世を風靡した大阪・登美丘高校ダンス部の「バブリーダンス」でセンターを務めたことがきっかけでスカウトされ、芸能界デビューした伊原六花さん。令和のシンデレラが、今回挑んだのはホラー映画。撮影時の苦労や演技の楽しさについて聞きました。

　4歳からバレエを始め、子どもミュージカルを習い、高校ダンス部ではキャプテンとしてメディアに多く露出。しかし「芸能界には一切興味がなくて」、最初は右も左もわからなかったという。

　転機を迎えたのは2年前。舞台のプロフェッショナル俳優たちに交じって稽古を重ねるなかで、発見があった。「それまでは台本を読み込んで役柄のバックボーンを想像し、自分なりに表現していくのが『演じる』ことだと思っていました。ところが、人によってその場でいくつものアプローチを試しながら答えを見つけようとする人、演出家と話し合い、じっくり考えをまとめていく人など、正解を出していく過程はさまざま。やり方は何でもありなんだとわかり、芝居観が変わったんです。私も、恥ずかしさをかなぐり捨てて、自由な発想でとにかく動いてみようと思うきっかけになりました」

　今秋公開の映画『リゾートバイト』ではホラーに初挑戦。本来、怖いのは苦手だが、つくり手の一人として、いかに「恐怖」の感情を観客に持ってもらえるか、海外のホラー映画を参考にリアクションや表情を研究してから撮影に臨んだという。「とはいえ、怖いだけの映画ではなく、展開がスピーディで面白く、意外な結末を迎えるという意味ではエンターテインメント性の高い作品。新感覚ホラーを劇場でぜひ確かめてください！」

文：みやじまなおみ　写真：安友康博(機関誌「済生」2023年10月)
ヘアメイク：面下伸一(FACCIA)
スタイリスト：米原佳奈
衣装協力：フーディードレス¥66,000 (Maison MIHARA YASUHIRO／Maison MIHARA YASUHIRO TOKYO)　お問い合わせ先・Maison MIHARA YASUHIRO TOKYO TEL:03-5770-3291