社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)

2024.12.03

知念 里奈 さん

知念 里奈 さん

1981年生まれ、沖縄県出身。1996年に歌手としてデビュー。翌年、第39回日本レコード大賞で最優秀新人賞を受賞。2003年、『ジキルとハイド』でミュージカルデビュー。以降、『ミス・サイゴン』(2004・2008・2012年にキム役/2016・2020年にエレン役)、『レ・ミゼラブル』(2005年にコゼット役/2007・2009年にエポニーヌ役/2011・2013・2015・2019年にファンティーヌ役)などの大作に次々出演。ミュージカル俳優として活動の幅を広げている。

もともと歌唱力に定評があった知念里奈さん。歌手からミュージカルへ軸足を移してキャリアを磨き、今やミュージカル界に欠かせない存在に。世界初上演となるミュージカル『ケイン&アベル』への出演にあたり、新作への意気込みと、ご自身の転機についてお話を伺いました。

 「あの『ケインとアベル』がミュージカルになるらしいよ、という噂は聞いていましたが、まさか自分が参加させていただけるとは想像していませんでした! 誰も観たことがない新作には一からつくりあげる苦労もありますが、それに勝る喜びがあると思います」と声を弾ませる。

 これまで20年以上のキャリアを積んできた。しかし22歳で『ジキルとハイド』の初舞台を踏んだときは、畑違いの現場に戸惑いを隠せなかったという。「ポップスしか歌ってこなかったので、歌もお芝居も思うようにできない中、お客様の目も厳しく毎日苦しかったです。でも、少しでもよくなりたい一心で必死に挑戦していたら、『昨日よりよかったよ』と言ってくださる方もいて。それが励みになってずっと続けてこられたのかもしれません」

 今は“作品の1ピース”として共演者と調和をはかり、舞台を完成させることが自分の務めだと語る。何がそこまで知念さんを引き付けているのか?

 「生の舞台は努力したことも、しなかったこともそのまま出てしまう、怖いけれどやりがいのある仕事です。だからこそ毎日一生懸命努力を重ねた先に、今回のような思いがけない役に出合えるご縁があるのかなと。そんな自分でいるためにも、時間を無駄にせず努力し続けようと思っています」

文:みやじまなおみ 写真:安友康博(機関誌「済生」2024年12月)  ヘアメイク:noritake スタイリスト:小堂真里

ミュージカル『ケイン&アベル』

ミュージカル『ケイン&アベル』

ジェフリー・アーチャーのベストセラー小説を原作に、世界初演のオリジナル・ミュージカルとして上演。生まれながらにして将来を約束された男(ウィリアム・ケイン)と、孤児として生まれ自ら夢を掴み取らなければならない男(アベル・ロスノフスキ)。ともに類まれな運命を持つ二人がお互いの成功の陰で対立を深め、火花を散らしていく。知念さんはアベルを支える妻・ザフィアを演じる。

原作:ジェフリー・アーチャー
音楽:フランク・ワイルドホーン
脚本・演出:ダニエル・ゴールドスタイン
出演:松下洸平、松下優也、咲妃みゆ、知念里奈、山口祐一郎ほか
東京・東急シアターオーブ 1月22日(水)~2月16日(日)、大阪・新歌舞伎座 2月23日(日)~3月2日(日)

知念里奈さん


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