社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)

2018.06.01

鈴木亮平 さん

鈴木亮平 さん
プロフ

リード

大河ドラマに主演し、今年の顔として活躍する鈴木亮平さん。映画『羊と鋼の森』では一転、繊細な心を持つ主人公の調律師を指導する良き先輩を演じています。双方に共通する役への想(おも)い、内面の魅力に迫ります。

どの作品も真剣に役と向き合い、外見も内面も全力で役づくりをしていることが伝わってくる。ピアノ調律師の役を演じるに当たっては、プロのレッスンを何回も受けて耳を鍛え、ノートをつくって必死に勉強した。ワンシーンのみのドラムの撮影でも練習を重ね、趣味といえるレベルの腕前に達したという。

「演技とは直接関係ないかもしれない。でも、やればやるほどその経験が自分の一部になって、いい意味で自分の変化につながっていくように感じています」

後輩を指導する先輩役だが、鈴木さん本人は、先輩ぶるのは苦手。「ただしこの作品に関しては、監督から『山﨑賢人の先輩でいて欲しい』と言われたんです。なので、『現場に入るまでにセリフは完璧にしておけよ』とか、いつもなら絶対言わないようなことを言ったりして、そこはがんばりました(笑)」

ちなみに、普段の鈴木さんは世話焼き派? それとも世話焼かれ派?
「どちらかというと、世話焼き派でしょうか。自分から『飲みに行こう』と誘うタイプではないけれど、頼ってくれたらできるだけ力になりたいと思っています」

目指す俳優像について話が及ぶと、外から見ると穏やかでやさしいが、芯に熱いものを持っているのが理想の姿だという。

「今回の映画で、『羊毛でつくられたハンマーが鋼の弦をたたいてピアノの音が生まれる』と表現されているのですが、僕の場合は、真っ赤に燃えた鋼の球のまわりをフワフワした羊毛が覆っているという感じが理想です。羊の層は大人の余裕や色気、人間的な魅力です。でも、内側には『自分はこれを成し遂げたい』という役者としての暑苦しい部分、エゴみたいなものがある。そのバランスで、味わい深い音が奏でられるような人になれたらと思います」

文:みやじまなおみ 写真:広田成太(機関誌「済生」2018年6月)
ヘアメイク:SHUTARO(vitamins)
スタイリスト:白井崇(THYMON Inc.)

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『羊と鋼の森』

『羊と鋼の森』
(C)2018「羊と鋼の森」製作委員会

2016年に本屋大賞を受賞した宮下奈都の『羊と鋼の森』を映画化。高校でピアノ調律師・板鳥に出会った外村は、彼が調律した音に生まれ故郷の森と同じ匂いを感じ、調律の世界に足を踏み入れる。ときに迷い悩みながら、先輩調律師やピアノにかかわる多くの人に支えられ、人としてもたくましく成長していく。

●原作:宮下奈都『羊と鋼の森』(文春文庫刊)
●監督:橋本光二郎
●脚本:金子ありさ
●出演:山﨑賢人、鈴木亮平、上白石萌音、上白石萌歌、三浦友和 ほか
2018年6月8日(金)より全国ロードショー

 

鈴木亮平 さん