斎藤 工 さん
1981年、東京都生まれ。近年の主な出演映画に『逆転裁判』(12年)、『愛と誠』(12年)、『めめめのくらげ』(13年)などがある。テレビドラマでも『大河ドラマ 八重の桜』(13年/NHK)、『ガラスの家』(13年/NHK)、『ミス・パイロット』(13年/CX)、ドラマ版『仮面ティーチャー』(13年/日テレ)など数多くの話題作に出演。さらにドラマ『ぼくのいた時間』(CX)に出演中。2014年公開予定の映画に『ヌイグルマーZ』『抱きしめたい』がある。
学園ヒーローもので、若きエリート官僚役を好演
「”仮面”や”覆面”には、身元が割れないからこそ思いきったことができる強さがあり、それを教育者側が生徒に対して行うストーリー展開に驚きながらも、現代的なリアリティを感じました。このシステムは本当に採用してもいいぐらい」と、落ち着いた声で最新出演作劇場版『仮面ティーチャー』を分析する。
映画で演じたのは、組織の論理に翻弄(ほんろう)されつつも、自らの信念を貫き、立場を超えて銀の仮面ティーチャー(藤ヶ谷太輔)を応援する若きエリート官僚。「躍動する主人公がいてくれるので、僕はその対極でいようと、内に秘めた温度感を大切にしました。
ちなみに、斎藤さん自身の学生時代は?と問うと、「もう、くすみまくり(笑)。高校は男子校だったんですけど、ケンカも恋も何もなく、高校時代が真っ平らに見えました。それが怖くて、沢木耕太郎の『深夜特急』をなぞるように、高校1年から自己演出でバックパッカーを始めたんです。若気の至りとわかった上で、あえて危険なことをした経験が、その後の自分を形成していると思います」
人とのふれあいを大事にしたいと言う。「病院もそうですよね。ただ医療を行うのではなく、そこに働く人の温かさが癒す場をつくり、患者さんを元気にするのだと思います」
文:宮嶋尚美 写真:梶浦政善(2014年2月号)
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