小林 綾子 さん
1972年、東京都生まれ。立命館大学文学部英米文学科卒業。5歳よりテレビドラマやCMを中心にタレント活動を始める。1983年、NHK朝の連続テレビ小説『おしん』で主人公の少女時代を好演して人気を博す。その後も、ドラマ・映画・舞台のほか、現在は旅番組や、情報バラエティでも活躍中。主な出演作に、ドラマ『いのち』(大河ドラマ)『七人の敵がいる』『剣客商売』『渡る世間は鬼ばかり』、映画『ホタル』『海難1890』、舞台『おしん』『かたき同士』などがある。
「天才子役」の壁越え演技派女優へ。好奇心で仕事に趣味にまい進中!
国民的ドラマ『おしん』の少女時代を演じてから約30年。
当時の愛くるしさはそのまま、現在も女優として
ドラマ・舞台・映画で活躍する小林綾子さん。
確実にキャリアを積み重ね、充実の日々を送る小林さんに
元気のみなもとをうかがいました。
女優としての転機は20歳で初舞台を踏んだとき。それまで「天才子役」と謳(うた)われ、密かな自信もあっただけに、思うように演技できない現実に打ちのめされたという。「それを見かねて、母親役だった山岡久乃さんが手取り足取り、お芝居のイロハを教えてくださったんです。本番の幕が開いてからも、毎日楽屋で居残り稽古(けいこ)をつけてくださって。そのおかげで今の自分があると思っています」
次の舞台では高橋惠子さんの娘役。独身で、薬剤師としてシャキシャキ仕事をこなすキャリアウーマンという役どころだが、小林さん自身との共通点は?
「仕事が好きっていうところは同じかもしれないですね(笑)。あとは母を思いやる気持ち。私も母ととても仲が良いので、そういうところは共通しているかなと思います」
登山好きな母親に連れられて、幼い頃から山に登るうちに、自然が大好きに。「自然のエネルギーをチャージすることって、たまに必要だと思うんです。あのすがすがしい空気を深く吸い込むと、よし、明日もがんばろう!と元気になれます」
真面目(まじめ)でおとなしいイメージがあるが、実は行動派。ほかにも「音楽にのって踊るのが好き」で、社交ダンスや日舞を続けている。そうかと思えば、茶道にものめり込み、今では表千家講師の免許も持つ。
「小さい頃から好奇心が旺盛で、色々なことに興味をもっていました。去年は初めて梅干しを自分で漬けてみたんですよ(笑)。お仕事も女優という垣根を取り払って、自分の新たな一面が発見できるように、どんどん幅を広げていきたいですね」
文:宮嶋尚美 写真:安友康博 (2016年3月号)
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