社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)社会福祉法人 恩賜財団 済生会(しゃかいふくしほうじん おんしざいだん さいせいかい)

2021.09.01

桐谷 健太 さん

桐谷 健太 さん

ギラついた目が「三船敏郎に似ている」と
言われて勝手に親近感を抱いています

シリアスな役からコミカルな役まで幅広く演じ、映画、ドラマ、CMに引っ張りだこの桐谷健太さん。12年ぶりの舞台で、黒澤明と三船敏郎が初タッグを組んだ名作に挑戦します。舞台への意気込みとともに、プライベートでのチャレンジについても聞きました。

「俳優を目指し、東京に出てきて間もない10代の終わりか20代の初め、『お前の目はギラギラしている。往年の三船敏郎みたいだな』と言われ勝手に親近感を抱いていたことがあります。その後、映画『七人の侍』を見て、すごくカッコいい方だと。今回の舞台は、その縁が今につながったのかなとうれしく感じました」

 本作は、沼にはまった人のように、不可抗力の事態から抜け出そうと手足を動かす “もがき”がテーマ。桐谷さん自身、まだ俳優として名もない頃を振り返り、「人より目立とうとものすごく力が入っていた。力を抜いたほうが浮かぶのに、力を入れないと地上に上がれないと思っていたからもがいたんです。でも、その分、今は抜いたときのエネルギーが半端ではないことも分かる。そんな時期があってよかったと思います」と語る。

 現在の桐谷さんは、ストレス解消法も穏やか。「休日は、朝、近所の公園を散歩するのが楽しみの一つ」だとか。コロナ禍をきっかけに、新しく勉強も始めたそう。

「自粛中は散歩とワインとビールが楽しみだったこともあり、ワインエキスパートとジャパンビアソムリエという資格を取りました。ビールもワインと同じようにペアリングがあって、食事の最初から最後までビールで通せると分かったことも驚きでした。オフで得たエネルギーをいろんな作品に変換させていけたらいいですね」

文:みやじまなおみ 写真:吉川信之(機関誌「済生」2021年9月)
スタイリスト:岡井雄介 ヘアメイク:石崎達也

舞台『醉いどれ天使』

舞台『醉いどれ天使』

黒澤明と三船敏郎の初タッグ映画『醉いどれ天使』(1948年公開)の舞台化。戦争の生き残りで今は闇市の顔役・松永と、彼の肺の病を治そうと治療を勧める町医者・真田を軸に、戦後の混沌とした時代をもがきながらも必死に生き抜こうとする市井の人々の姿を描く。

●原作:黒澤明、植草圭之助
●脚本:蓬莱竜太
●演出:三池崇史
●出演:桐谷健太、高橋克典、佐々木希、田畑智子、篠田麻里子/髙嶋政宏 ほか
【東京公演】2021年9月3日(金)~20日(月祝)/明治座
【大阪公演】2021年10月1日(金)~11日(月)/新歌舞伎座
東京公演9月3・4日の中止が決定。以降は未定。

桐谷 健太 さん


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