もじゃもじゃ頭にアロハとビーサン。映画『海岸通りのネコミミ探偵』で演じた猿渡浩介の髪形をご自身でメイクし「湘南の自由人」を印象的に演じた和田正人さん。「陸上選手から俳優へ」というユニークな転身から18年。プライベートでは今年10月に待望の第二子も誕生、奥さまとの二人三脚で楽しく子育て真っ最中。公私ともに充実して、演技にもますます磨きがかかります。

「ペット探偵を演じると聞いて素直に『面白いな』と思いました。まだ世の中にあまり知られていない職業なだけに、自由がきくなと。実際にその道の第一人者の方に、ペット探偵がどんなことをするのかいろいろ聞いた上で役作りをしていきました。事前にしっかり準備ができたので、撮影現場では自由に楽しく過ごさせてもらったという印象です」

　ペット探偵の２人が暮らすのは職住一体の素敵すてきな建物。
「大人の遊び場と言うか隠れ家のようでした。古い車とかおもちゃとか、趣味のものがたくさん置いてあって。実際に使われている、ほぼそのままです。場所のイメージに近づけて衣装も選んでいきました。猿渡の自由な雰囲気はロケーションにもずいぶん助けられていると思います」

　ラスト近くには元陸上選手ならではの競歩シーンが。
「本当は『ジョギングする2人』だったのですが『あえて競歩ってどうですか？』と提案したところ快く採用。うれしかったですね。コミカルなシーンになったと思います」

　2007年、テレビドラマでエンバーマー^※を演じた。
「あの時も第一人者の方が監修についてくださいました。駆け出しで右も左も分からない頃でしたが思い入れのある作品です。いろいろな職業に触れられるのも役者の醍醐味だいごみ。これからも素敵な役との出会い、人との出会いを楽しみながら、毎日がオーディションのつもりで頑張っていきたいと思います」

※「死化粧師～エンバーマー間宮心十郎～」(テレビ東京)

文：栗原潤子　写真：安友康博(機関誌「済生」2022年12月)
ヘアメイク：五十嵐千聖
スタイリスト：奥村渉