アニメやゲームが原作の「2.5次元舞台」を人気コンテンツに押し上げた立役者の一人。この春はキラキラしたイメージを封印し、「フツーのいい人」で新感覚グルメドラマに主演、新たな一面を見せてくれます。自身も「食」をこよなく愛しているという佐藤さん、心も身体も満たされる究極の料理とは？

　数々の舞台でキャラクターの濃い役柄を演じ、輝きを放ってきた。今回はいつもと勝手が違い、仲良しグループでインスタントラーメンのアレンジをシェアし合う心優しい青年役。撮影時を振り返り、「役者としては普通の人を演じるのが実は一番難しい。でも、普段から後輩の面倒を見るのは好きで、誰かがおいしそうにご飯を食べている姿を見るのが好き。俺自身も料理をするので距離感は近かった」と語る。

　料理を始めたのは2年前の緊急事態宣言下。「それまで外食ばかりでしたが、いい包丁といいフライパンを買ってみるとどんどんその気になって(笑)。得意料理はニンニクたっぷりの餃子で、チーズタッカルビ餃子や梅干し＆ササミ餃子などアレンジレシピにも挑戦しています」

　そんな佐藤さんにとって「これを食べれば心も身体も満たされて、最高の一日になる料理」は“うな重”。子どもの頃から成績で一番になったり、空手大会で優勝したりすると、両親が食べさせてくれた思い出の味だ。今も舞台の千秋楽や撮影のクランクアップを迎えると、自分へのご褒美飯としてうな重を食べる習慣があるという。

　心を満たしてくれる存在はもう一つ。「猫を2匹飼っているんですが、猫と一緒に寝る時間が一番好きですね。まわりからは性格も猫っぽいと言われます」。強い意志を感じる目がふと優しくなった。

文：みやじまなおみ　写真：吉川信之(機関誌「済生」2022年4月)
スタイリスト：吉田ナオキ
ヘアメイク：有藤萌(do:t)
衣装クレジット：デニムジャケット(DEGENDER)、シャツ(meagratia)／Sian PR(03-6662-5525)